行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

花燃ゆ、ついに奥女中解雇

2015-09-27 22:36:32 | Weblog
大河ドラマ「花燃ゆ」に見る過酷な維新という改革の嵐、改革というより旧体制をひっくり返した革命といった方が良いだろう。花燃ゆの主人公は吉田松陰の妹・文、これまでには歴史上無名の人物だ。激動の長州藩の運命に翻弄されながらも、新しい日本の時代に生きる新しい日本人を育てると本日のドラマでは決意を述べている。以前の大河ドラマ「八重の桜」では会津藩崩壊の悲運の中、山本八重という主人公が明治維新、新島襄の妻となり、看護士となり、婦人教育に力を捧げた。ここのところNHKは埋もれた女性功労者を発掘し続けている。花燃ゆの主人公文の活躍が楽しみだ。
 
明治維新の勝者長州と敗者会津の違いは大きいが、幕藩体制が崩れ、中央政府へ統一を進める過程での各藩の武士の運命は同じだ。会津は先に崩壊したため、時間的に早かったが、明治4年に施行された「廃藩置県」により、各藩の統治は解かれ、中央政府が任命する県令によって統治されることになった。藩からの禄はなくなり、今で云う解雇一時金で武士は何とか生活をしなくてはならない。薩長のように中央政府を牛耳る藩では率先実行しなくてはならないが、それまで幕府を倒した功績の藩士は激昂した。全国で反乱が起きても不思議ではない事態だった。ドラマでの長州藩主のごとく、既得権益者である全国の藩主が馬謖を斬る思いで中央政府の指示に従った。今日の花燃ゆでは奥女中に解雇を告げる場面があったが、全国の藩ではどのくらいの奥女中が解雇され、一時金は支給されたのだろうか。歴史には出てこないが、多分実家に帰るしかなく、やはり辛い運命が待っていたことだろう。
 
後に不平不満の武士達は反乱を起こすが散発的で、最も大きなものが西郷隆盛率いる薩摩との西南戦争で、中央政府の新たな軍隊によって鎮圧された。時の中央政府は大久保利通であり、伊藤博文で、違うかたちではあるが二人とも暗殺された。まさに命をかけた革命であった。岩盤規制に穴を空けるといった安倍首相、消費税では財務省、農協改革では農水省といった官僚制度へ丸投げに近いかたちだ。維新の政治家の心意気を見習ってほしい。
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