昨日から新元号狂騒曲が列島を駆け巡っている。先ず発表されてからのマスコミのはしゃぎようは尋常ではなかった。テレビでは1日中放送、新聞は号外を出し、令和の名を持つ人を探し出し、今日は六つの元号候補を探り出し、万葉集の大家、中西氏が発案したと報道した。各企業は商機につなげようと、「令和」の文字入りのキャンディー、饅頭、せんべい、カステラ、を売り出し、求める客が列をつくった。令和が引用された万葉集の舞台太宰府はニンマリ、観光会社は早くもツアーを企画、梅酒製造工場への観光も企画している。
一方で早くも便乗した詐欺事件も起きたとの報道、手口は金融機関の職員をかたる男からの「元号が変わるのでカードを新しくした方がいい」と電話し、カードをだまし取り、すでに現金100万円を引き出す素早さだ。記念切手だ、硬貨といった詐欺も予想され、高齢者は用心、用心。
確かに元号は中国、ベトナムで王朝の廃止と共になくなり、唯一日本で残っている故に古来の伝統文化であり、国民の関心も高い。自粛ムードが強かった前回の改元時とは異なるが、こんな狂騒曲になるとは!証券業界は読んで期待していたようで、印刷、観光、デパート関連の株高を期待している。
しかし、日本は西暦と元号を併用しているため、国民は結構苦労している。私は読み替えるのが面倒なので、西暦一本にしているが、役所関連の書類では元号が多い。外務省では西暦に統一するとのことだが、是非他の役所でもそうしてもらいたい。グローバルでみれば、元号は一種の符号みたいなものだから。元号を決める過程で漏れないように懇談会の委員まで携帯を預かるなど、噴飯ものだ。国民がこれだけ関心があるのだから、六つの案を示し、各々解説を付けて国民投票で決めた方が良かった。何故こうまで隠しながら決めたのか意味不明だ。政治ショウを狙ったとしか思えない。