仏教用語に自業自得「自分のした善悪の行為で、みずから苦楽の結果を招き受ける」というのがある。今回のトランプ大統領の新型コロナウイルスの感染は当に自業自得だ。為政者としてウィルスから国民を守ることが第一義なのに、CDC(アメリカ疾病予防管理センター)という理想的な組織がありながら専門家のアドバイスを受け入れず、死者20万人超える犠牲者を出し、さらに感染者が増え続けており、米国民は地獄を味わっている。
ところが、26日のホワイトハウスでの最高裁判事任命発表式を見ると、トランプ大統領はじめ誰もマスクをしてない信じられない光景だった。どう見ても地獄ではない華やかな式展に見えた。後に判ったが、ここに参加していた大統領の最側近として知られるコンウェイ前大統領顧問ら3人、メラニー夫人、ホワイトハウス担当の記者3人も感染が判明した。幸いペンス副大統領は感染していないので政治の混乱は避けられている。
共和党の上院議員2人の感染が判明しているが、共和党ではマスクの着用は個人判断としている。トランプ陣営の選挙対策本部長のビル・ステピエン氏の感染も2日、明らかになっている。
コロナ初期、イタリアで感染者がオーバーシュートして混乱したが、ロックダウンとマスクの義務化を実施し、沈静化したのとは対称的だ。トランプ大統領はワクチン開発に巨額を注ぎ込む一方、マスクの着用を一時は否定し、共和党の集会等ではソーシャルディスタンシングを守らず、大学や小学校の対面教育実施に圧力をかけるなど感染者増を放置してきた。