この大会前、安定したショットメーカーで黄金世代の小祝さくらが有力とみていたが、圧倒的な飛距離(平均253ヤード)と小技で、同世代の原英莉花が日本最高峰トーナメントを制した。大相撲9月場所で目が覚めたような押し相撲で優勝したように、今年二回も予選落ちした選手とは思えない落ち着きと自信にあふれ、目が覚めたようなプレーぶりだった。最終組で首位スタートし、通算16アンダー、2日間同じ組で回った小祝が12アンダー、3位のベテラン上田桃子が8アンダーなので、黄金世代2人のマッチプレーが2日間続いた感がした。
レベルの高い闘いで、目が離せなかった。11番パー4では、小祝が第2打をピン50センチにつけると、原は105ヤードをピッチングウエッジでカップインするようなショットで、1mに付けて双方ともバーディ、12番も小祝が5メートルを入れ、プレッシャーをかけたが、原は3メートルを入れ返しバーディ合戦。13番はパーの小祝に対し、カラーから10ヤードをチップインして追いすがる小祝を突き放した。173センチ、58キロ、容姿端麗、モデルのようなスターが誕生した。
勝、畑岡、渋野、小祝、に原が加わり、黄金世代の黄金時代が続くのか、それとも笹生、古江ら後輩が追い上げるかこれからが楽しみだ。原が目覚めた原因は判らないが、本人は師匠尾崎将司がアイアンのシャフトを替えてくれたのが良かったと言っている。同じ尾崎門下生の渡邉彩香は師匠からパターを貰ってから目覚めてアースモンダビで優勝している。
笹生も尾崎門下生だから今シーズンは7試合で3試合が尾崎門下生が制したことになる。かつて尾崎軍団という男子プロ集団が国内のトーナメントの多くを制したことが思いだされる。