ほったらかし投資という宣伝文句があるが、歳をとり判断力が鈍くなったら、究極の分散投資としてこれ1本でほったらかしとけば良い投信がある。日米で人気の2本を較べてみた。米国のETFで有名な2008年設定のバンガード・トータル・ワールド・ストックETF(VT)と2018年設定のeMaxis Slim 全世界株式で、歴史が10年違うので、eMaxisはまだ分配の実績がない。
組入上位10ヵ国を見ると、双方とも米国の比率が56から57%で、世界株式投信といっても米国の市場動向に左右される。ちなみに日本の比率は双方とも7%台、
組み入れ上位の企業もGAFA、マイクロソフトが中心で変わりなし、従って、成績も1年間で見ると10%増、年初来2%増と2つの運用内容、成績はコロナ危機を乗り越え、ほったらかしても大丈夫だった。
違いは経費率が低いことで有名なVTが0.080%、eMaxisが0.1144%で差がある。ただし、eMaxisは運用資産が増えれば経費率は下げると宣言している。
配当はVTが年約2%の実績がある。
VTは証券会社でも大手とオンライン証券のみで扱っているが、eMaxisは証券会社はもちろん銀行、郵便局でも買える。
株式はかつてNTTやドコモが時価総額世界一だったが、今やGAFAの足元にも及ばない。米国偏重の世界株式投信が何時までも安泰とは言えない。分散投資を補完するには世界債券、世界リート、金投資も必要だろう。