13日の大阪医大のアルバイト職員へのボーナス支給裁判は正規職員との職務分析を行った結果、賞与の不支給は合理的との判決となった。大阪医大では正職員の他、契約職員とアルバイト職員がいて 時給制はアルバイト職員のみで、他は月給制だ。業務内容範囲の差があり、契約社員は正社員の8割の賞与が支給されるがアルバイトには支給されなかった。業務内容の差で不支給は合理的との判決だった。契約社員には支給されているので非正規社員だから賞与の支給がないということではない。
東京メトロ売店業務の退職金裁判判決の場合は、原告の契約社員は1年の契約期間を更新しながら65歳まで11年努めたのに退職金が支給されないのは不合理だと訴えたわけだが、これも正社員との業務の範囲に差があり、不合理とは言えないとの判決だ。また正社員は,業務の必要により配置転換,職種転換又は出向を命ぜられることがあり,正当な理由なく,これを拒むことはできないことがこの判決に大きく影響した。
この判決は微妙で、裁判官の1人は勤続年数は正社員に比較しても充分であるし、「正社員に対する退職金の性質の一部は契約社員Bにも当てはまり,売店業務に従事する正社員と契約社員Bの職務の内容や変更の範囲に大きな相違はないことからすれば,両者の間に退職金の支給の有無に係る労働条件の相違があることは,不合理である」として反対した。
15日、日本郵便の契約社員らが起こした三つの裁判の最高裁判決は、原告が求めていた扶養手当や有給の夏休み・冬休みなど五つの手当・休暇について、いずれも支給を認めた。このケースは正社員と契約社員との間の業務の違いがほとんど無いことが大きかった。年始年末手当は正・非社員ともに皆がゆっくり休んでいる中、配達しているのだから非正規社員にも当然支給されるものとした。原告からは喜びの声が上がった。扶養手当についても勤続年数が大きく違わないなら非正規社員でも支給すべきとのことで、この判決は明るいニュースだ。
非正規社員といっても仕事の内容や契約期間の継続性にかなり幅があり、正規社員との処遇格差については上記裁判のように個別のケースで判断がされるが、同一労働・同一処遇の流れは止められない。