毎年9月に発表される国税庁調査、やはり「雇用は増えたけど正社員と非正規契約労働者との賃金格差は開いた」という内容。此の調査の特徴は1年間通して働いて得た給与の実態なので、日本の労働市場を的確に反映している。
給与所得者の総数は5255万人、4.6%増、正規社員は3486万人、5.0%増、非正規社員は1215万人、4.1%増と雇用は確かに増えている。
1人当たりの平均給与を見てみると正規社員は540万円で前年と比べると横ばい、非正規社員は175万円と正規の半分にも満たない。しかも前年より、2.5%減少している。非正規社員の給与内容を見ると、月々の給料手当が166万円、2.3%減、賞与が8万円5.6%減となっており、賞与の貧弱さが目立つ。
男女別に見てみると、正規社員の男は561万円、0.3%増、女は389万円、0.8%増、非正規社員は男が226万円、4.4%減、女が152万円、1.2%減となっている。男女比率を見ると、女性比率は正社員が33.6%、非正規社員が69.5%と非正規社員の大部分は女性労働者に支えられている。
此の調査では労働時間に触れられていないので、正確な給与格差は判らないが、前年からの増減を見ると、正社員は増えているのに対し、非正規は減少していることから、格差は拡大していると判断出来よう。コロナで非正規労働者がすでに6万人も解雇されたという2020年、その格差はさらに広がることだろう。