行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

ヨーカ堂 正社員を半減、9割パート社員の衝撃

2012-09-09 22:53:11 | Weblog

セブン&アイ・ホールディングスは、傘下のスーパー「イトーヨーカ堂」の業績が低迷しているため、正社員8600人を3年後をめどに半分に減らす方針を決めた。かわりにパートを6800人増やし、1店あたりの従業員に占めるパートの割合を今の8割弱から9割に高める。というニュースが昨日流れた。

3年間の計画で人件費を100億減らすのが目的だが、同時に「スーパーはかつては安さだけ求められたが、今は多様なニーズをくみとらないと競争に勝てない。接客力が大切になり、店の人数は必要だが、人件費を増やしたくない」としている。レジなど人数を増やすことでサービス向上になるということなのだろう。

イオンなど他社は多くてもパート比率が80%なので、正社員を削り90%をパートで運営し、競争力をつけるというのは大変なことで衝撃的だ。10%の正社員への負担が増えるといった問題をはるかに超える困難さを克服しなければならないからだ。パートは法で正社員より労働時間が短い労働者と決められているので、中核的な6時間パートが正社員並みの能力を持たないとやっていけない。同社は、給与制度も改善し、調理師免許などの技能を持つ人の給与を3倍ほどに増やしたり、パートのままで役員や店長に起用したりするとしている。

これまでの正社員の考え方を一変し、9割のパートが基幹社員という位置づけになるのではないだろうか。主婦パートがこれまでのスーパーでは主力で、この中から店長を育成できるのか、専門職パートを雇うのか、当然均等待遇が実現するのか注目したい。

日本のスーパーでいつも気がかりなのはレジが立ち作業なことで、ヨーロッパではあり得ないし、途上国でも女性の立ち作業は労使紛争になることもあるくらいだ。何で座れないのだろう。

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東京西麻布でビーナス発見

2012-09-07 22:18:40 | Weblog

今日は、杉並の寶昌寺秦住職の本葬儀が永平寺東京別院長谷寺(ちょうこくじ)で永平寺貫首をはじめ全国の末寺の僧侶、檀徒により執り行われた。お寺とは縁のなかった私だが、父を亡くして初めてお目にかかった住職だった。

住職は27代目で我が家とは江戸時代まで縁がさかのぼれるよと言っていた。若くして航空隊に入り、戦場に行く途中輸送船が撃沈され、九死に一生を得た。その後、乗る飛行機がなくバンコックで辻政信参謀のもと情報部員として活動、戦後は英国軍の追求を逃れるため、辻参謀とバンコックの寺院に身を潜めていたが捕らわれ、帰国した。

英国軍の追求を逃れ、辻政信が秘かに帰国後、住職は逃亡潜伏を助け、辻政信が戦犯追放解除後、衆議院議員に当選した時には秘書まで務めた。まさに波瀾万丈の一生だった。

本日の本葬儀会場、長谷寺観音堂ですばらしいビーナスに遭遇した。福岡の楠の巨木を日本芸術院会員大内青圃氏が彫った10mの大きな11面観音像で、こんなに美しい観音像は見たことがない。東京の名物を一つ発見した。これも住職のおかげなのだろう。観音堂は午前6時から午後5時まで公開されている。場所は南青山7丁目バス停1分

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自民党で始まった猿蟹合戦

2012-09-05 22:47:53 | Weblog

国会はストップ、民自で党首選が始まった。前回は民主党の党首選がスリル満点で面白かったが結果として小沢グループが離反した。今回は自民党で猿蟹合戦が始まった。なりを潜めていたゾンビが表に出てきて、谷垣総裁に反旗を示し、多くの候補者が立候補しそうだ。ゾンビの中には既に引退した者、引退を表明した者もいて、それがまたすこぶる元気だ

今回も派閥の意向が出てきて、まだ派閥があったのだと思ったが、その派閥の締め付けは弱くなっている。昔のように派閥の親分が金で縛ることも出来ず、資金は党のトップが握っている。今回の党首選で派閥が解体することも考えられ、自民党の体質が変わるかもしれない。若手の議員が派閥に縛られず、どのくらい力を持っているか試金石だ。

昔は自民党の総裁選には億の金が動いたが、今や出しての財界が細って力もない。特に政治献金の大手、電力会社は経営危機に見舞われている。しかし、公共投資を増やせとの圧力を強めているゼネコンや地方の建設業界がどう動くか目が離せない。

党首選の後は解散の時期が大きな節目だが、民自どちらが第一党になるにせよ、参議院でのねじれ現象は解消されない。政党間のいがみ合いが今のように続けば日本の政治は進まないことになる。与野党とも無責任なことを言ってないでまとめる努力が必要だ。

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中高年の選択、スマホかタブレットか

2012-09-03 23:44:36 | Weblog

昨年の1月、このブログで中高年のタブレット端末をということを訴えた。そのスペックとして「重さは400g未満という軽さが絶対条件となる。そうなると液晶画面の大きさは7インチぐらいとなる。ちょっと重い新書ぐらいの感じだ」「フラッシュやYoutubeにも対応し、無線ラン対応、GPS機能等必須の機能があり」「カメラの機能は500万画素はほしい。問題の価格は3万円以下、月額通信料はシルバー割引で3000円以下」

技術の進歩はすばらしく、この1年余スペックはほぼ満たし、近々発売予定のi-Pad小型版はそれ以上の機能をもっていると噂されている。問題は通信料で各社かなり努力をしているがまだ5000円近くかかり、年金生活者には負担が大きすぎる。有り難いことに無料Wi-Fiスポットが多くなり、コンビニや駅構内のカフェで利用できる。通信各社は工夫次第で3000円ぐらいに抑えられるプランを是非出して欲しい。

5インチのスマホも出てきているのでスマホを持つかタブレットを持つか悩むところで、通話の機会の多さによって選択すべきだろう。私の場合、普段は殆どメールでのやり取りだが同世代では携帯さえ持ってない人もあり、通話機能も重要だ。スマホ版らくらくフォンが出てきたが、Gmailが使えないという理解不能の制限を課している。一方携帯が予想以上にスマホ化して、グーグルは私の携帯ではGmailが取れないことにした。海外へ行った時など不便なので、Hotmailに代えることも考えている。

スマホ化すれば当然通信量が桁外れに増えるが通信各社の対策は大丈夫なのだろうか?ホテルや駅、公共図書館など、Wi-Fi化の遅れが心配だ。

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戦後の春闘をリードした宮田義二さん逝く

2012-09-01 21:09:03 | Weblog

労働運動の大先輩、宮田さんのお別れの会が青山葬儀所で行われた。私が顧問をしている金属労協(IMF-JC)のまさに先駆者として日本の春闘をリードしてきた戦後の代表的な労働運動家だ。金属労協議長として石油ショックの時に32%の賃上げを果たし、組合員は喜んだが、やがて30%近い物価上昇となり、インフレを断ち切るために経済整合性論を唱え、実質賃金重視へ春闘を導いた。その替わり政府に対しては時の福田赳夫蔵相と政労協議を通じ、政府に物価沈静を迫った。

労働運動を引退されてからは松下政経塾の塾長を務め、若手の政治家を育成、今や衆議院議員31名を排出している。お別れの会には塾生だった野田首相も弔辞を行った。塾長を辞められた後、国際労働財団の監事も務められ、私が専務理事であったこともあり、金属労協に続きいろいろとお話を聞く機会があった。

1939年中学を卒業後、八幡製鉄に養成工として入社し、労働運動に身を投じた人が熱意と努力でここまで上り詰めた割にはあっさりとしておられ、民主党政権の中枢を教え子が占めていても一切口出しはしなかった。

労働運動が闘うべきは「格差」「差別」「貧困」という宮田義二さんの言葉を現役の労働運動家に再認識して貰いたい。                享年88歳、合掌   

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