行雲流水

阿島征夫、一生活者として、自由に現代の世相を評す。時には旅の記録や郷土東京の郊外昭島を紹介する。

日中韓関係改善への英知を集めた提言

2014-07-13 00:04:21 | Weblog

「平和と安全を考えるエコノミストの会」(本部米国)の東京大学院教授河合正弘理事長と懇談の機会が有り、提言「東アジアの安定と繁栄のためにー日中韓に共存共栄を目指して」に沿って議論をした。
河合さんが日中韓の悪化した背景には日本経済の永年にわたる低迷があり、日本経済は強くならなければならないとアベノミクスの成功が重要だと強調された。
提言は会のメンバーに自民党の浜田宏一氏も含まれていることから、先週菅官房長官に手渡したが、残念ながら受けることは拒否された。
提言内容の骨子は現在のように日中・日韓の間で首脳会談が開けない状態が続き、万一、軍事衝突が起これば、成長してきたアジア経済も暗転し、日本経済の破綻につながるというシミュレーション結果も含めた危機感に溢れた厳しい内容だ

提言での提案骨子
①河野談話と村山談話を明確に踏襲し、安倍首相、主要閣僚は再度の靖国参拝を慎む
②尖閣諸島問題は当面棚上げし、領土問題は国際司法裁判所の裁定に委ねる。実力・武力で問題の解決を図らないことに合意する。
③東シナ海は「平和・有効・協力の海」とする
④日中韓は、東アジア地域包括的経済連携協定を推進する。また3カ国の自由貿易協定を締結する
⑤環境エネルギー政策での協力、人的交流の拡大


日中韓の政治家は子々孫々将来のことを考え、悪化させることばかりやってないでこの提言を実行して欲しい。

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軽減税率再考

2014-07-11 11:34:49 | Weblog

消費税10%へそろそろ決断を迫られている日本経済、その準備として軽減税率がまた議論の俎上に上ってきた。日本ではヨーロッパは消費税が高いと政治家やエコノミストが喧伝しているけど、正確ではない。軽減税率が適用されるので食品の値段は安い。

フランスでは消費税は四段階になっていて食品は5%、次がビールなど5.5%.ワインは11パーセント、本体の消費税は19%で、複雑すぎて対応できないとする日本税理士協会の見解も正しくない。ITの革新が進み、ビッグデータ時代に日本の税理士はついて行けないのではないか。食品の税率は日本の8%より低くなった。

イタリア経済も財政赤字で国家財政は大変だが、庶民は気にしている様子はない。医療費が全くかからないので税金を給料の49%とられても暴動は起こらない。消費税は標準消費税は20%、食料品の消費税は10%と税負担は日本より重い。従って脱税が横行しないように税務警察といった特別な組織がある。それでも物価はかなり安く、ショッピングセンターでは2ユーロのワインがたくさんあった。

格差社会に入りつつある日本での消費税アップは生活必需品に絞って軽減税率を導入することは避けられない。何が生活必需品かとか、居酒屋やカフェでのテイクアウトはどうするとか議論は面白いが些細なことだ。消費税が25%のデンマークのような状況になったら外食産業存続の危機になるので、その時に議論すればよい。

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昭和記念公園日本庭園の盆栽園

2014-07-09 22:51:33 | Weblog

盆栽は日本特有の技術だといっても良いくらいだ。浜松での花博でも大きな反響を呼んだ。人間の自然へのあこがれを生活の中に持ち込み、癒す効果は大きい。それは日本人だけでなく誰でもあこがれるもので、欧米でも盆栽愛好家は多く、最近ではショッピングセンターで盆栽的なものが売られているほどだ。
日本庭園の盆栽園は一度は訪れ、鑑賞して欲しい。傑作が揃っている。

一等賞の東北紅豆杉

定番の五葉松

林を連想させる姫沙羅

けやき、大木の風格

これはめずらしい、ブーゲンビリア

日本庭園の花は紫陽花ぐらいだがまもなく武蔵野キスゲが咲き始める

池の畔のギボシ

トンボと蓮

 

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集団的自衛権解釈変更、米国の見方

2014-07-07 18:06:08 | Weblog

閣議決定した憲法解釈変更の主たる目的は米軍支援にあり、オバマ米政権は表向き歓迎ということだ。しかしニューヨークタイムスの社説やそれに対する米国民の反応は複雑である。
ニューヨークタイムスの社説では、「この解釈変更は日本が軍事的役割を高めるもので、フィリッピンなどは賛成するも安倍国家主義政策は中国や韓国の反発を招き、地域の緊張をさらに高める。国内世論も50%が反対し、連日官邸前には抗議のデモが押しかけて、多くの困惑を日本にもららしている」としている。これまでニューヨークタイムスは4月1日付けで「日本は平和主義から抜けようとしている」5月15日付けで「日本は米軍事力への支援規制を緩めようとしている」などと報じてきた。
社説の最後では「安倍連立政権は衆参両院で多数を占めており、この解釈変更に関する多くの法改正も通るが、国民は国会の審議を通じてこの解釈変更が戦争に訴える国に変わったのではないという保障を安倍氏から確約しなければならない」

この社説にたいいて200を超える読者の意見が寄せられている。一部を訳する。
*問題は集団的自衛権ではなく、過去の歴史に対する日本の態度だろう。これまでの日本政権は安倍内閣も含めて先の戦争での日本の責任を完全には認めて来なかった。対照的なのはドイツで過ちを認め、近隣諸国とも和解している。もし安倍政権が近隣諸国に集団的自衛権を受け入れてもらいたいなら、彼は日本の戦争責任に、よりオープンになる必要がある。

*この社説は中国が取り囲もうとしている時、日本に静かにしていろと言うが、少し認識が甘すぎる。米国は条約で日本を守ることになっており、安倍はオバマに太平洋の要となるよう期待している。安倍は米国がアフガンやウクライナに気を取られているのではと見ている。当分の間、中国は南シナ海で圧力を強め、日本だけでなく東南アジア諸国に脅威を与えている。日本は戦争に訴える準備をしているのではなく、自分自身を守ろうとしていると見るべきだ。論説委員はもっと公平に安部首相の平和憲法の再解釈への努力を判断すべきだ。

*憲法9条に対して多くのコメントがあるがいささか混乱している。この再解釈以前でさえ、日本は中国に対して無防備であったわけではない。日本の軍事費は世界で8番目に大きく、アジアでは中国に次いで2番目だ。日本の憲法はこれまで侵略に対しては自衛できると解釈されてきた。今回の安倍の再解釈は社説をよく読めば、日本の軍事力は集団的自衛権の下で、同盟国を守るということだ。
厄介なことは同盟国を守るという考えはいくつもシナリオがあり、曖昧だということだ。ドイツは第1次世界大戦に巻き込まれたのは、同盟国であるオーストリアをただ防衛するということで、ロシアはセルビアを守ろうとし、英仏はロシアを守ろうとしたことだった。結果は世界が経験したことがなかった長い戦争になった。
日本政府がその戦争歴史に対して曖昧な立場にたつならば、日本の近隣諸国は集団的自衛権がどう正当化されるかナーバスになる。

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賃上げ額は前年比2.07%アップの5928円、次は最低賃金の大幅改善だ

2014-07-05 22:50:41 | Weblog

連合の発表によると、平均賃金方式(加重平均)で回答を得た5,442組合の引き上げ額は、5,928円で昨年比1,062円増、引き上げ率は2.07%で昨年対比0.36ポイント増となった。300人未満の組合(4,125組合)でみると、引き上げ額は4,197円で昨年対比555円増。引き上げ率は1.76%で昨年を0.23ポイント上回った。
一時金(組合員数による加重平均)の年間月数は4.78カ月で昨年を0.29カ月上回っている。これを金額に換算すると、153万9,022円で、昨年対比では8万7,625円増となり、今春闘は成果を収めたと言えるが、あくまでも正社員組合員の数値だ。

非正規労働者組合員の場合は、時給での賃上げ状況をみると、単純平均(256組合)で引き上げ幅は11.64円(平均時給917.62円)。昨年に比べ0.06円増となっている。加重平均(54万5,802人)での引き上げ幅は11.28円(平均時給900.70円)で、昨年に比べ1.27円増となって引き上げ率は1%をはるかに下回り、成果を収めたとは言えない。

しかし、この結果が国の最低賃金の引き上げにかなり影響する。これから最低賃金法に基付き、都道府県別の26年度最低賃金が中央最低賃金審議会で審議され、目安金額に基づき8月頃に決まり、10月頃に実行される。消費性向の高い多くのパートタイマーや非正規社員の賃金に影響し、今や日本経済の消費動向を左右するだけに大幅改定が望まれる。最低賃金は東京、大阪、愛知などAランク地域から東北、南九州の各県などDランクに別れ、現行最低賃金は東京の869円から沖縄、宮、大分の664円まで幅があり、全国平均は764円だ。昨年の引き上げ額は東京の19円、2.24%で低いDランクでは11円、1.68%だった。

欧州先進国の最低賃金は1500円前後、米オバマ大統領も最低賃金引き上げに熱心で、日本の最低賃金は見劣りする。今年は非正規組合員の時給並みの900円ぐらいを目指し、民主党政権時に目標とした1000円に到達する努力が欲しい。ホワイトカラー・エグゼンプションなどよりはるかに重要な労働政策だ。

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居酒屋での精算、ご用心

2014-07-03 22:18:22 | Weblog

昨日は梅雨の晴れ間の中、いつものゴルフ仲間とラウンドし、居酒屋で反省会となった。普段家では飲めない?飲ませてくれない?F氏、ゴルフよりこちらの方が目当てだとニコニコ顔。水をさすようだが最近若い人から聞いた怖い話を私から披露、「居酒屋の支払いの時、よく伝票をチェックしないと、年寄りの酔っ払いと見ると水増し請求だとか、コース料理を頼んだ場合、一品抜くとかして点数を稼ぐ店長がいる」と注意を喚起。

イタリアのバンドリーノ、長野の日本酒石清水など結構この居酒屋いい酒あるねなどと盛り上がっていた。注文も省力化をはかるためか、テーブルにタブレットが置いてあって、タッチして好きな物が注文できる。そして会計精算となると、合計金額と1人当たりのワリカン金額まで出て来る。酔っ払うと割り算苦手だからと言いながら

精算してみたら、今回1人当たり5000円ちょっとと出た。酔っていてもさすがは永年の居酒屋ドリンカーM氏、2000円ちょっとぐらいなのにおかしいとクレーム、タブレットは明細も出て来るので一品ずつチェック、なんとシーザースサラダ2個のところが22個1万円に付いている。自分が最初に話したことが現実に起こって、店長を呼べと言うことに、店長は2をつい間違って二回押し22になってしまったと平謝り。

店長のいうとおり間違えて押したかもしれないが、客に指摘されなければそのまま店の儲けだった。「指摘されたら、つい二回押してしまった」というのはうまい言い逃れで、計画的犯行とも取れる。いずれにしろ、今回のメンバーこの居酒屋チェーンには二度と入らないと怒ってた。

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さわやかな印象、映画「春を背負って」

2014-07-01 18:01:45 | Weblog

若き時代、毎年スキーに行っていた立山が舞台と聞き、見に行った。期待どおり、雄大な立山の四季折々の景色が楽しめた。夏だけ営業する山小屋が舞台だが、山ブームとあって多くの登山客が訪れ、それぞれの人生を時折覗かせる。この映画には一切悪人は登場しないが、大自然に比べ人間の弱さが映画を構成する。主人公の父は雪庇から落ちた登山者を救出中に死に至る。都会で腕利きトレーダーの息子が山小屋の後を継ぐが、素人同然の彼を山小屋で働いた仲間が応援し、何とか一人前にしようとする人間ドラマが展開する。

山小屋の主人は登山者の安全を先ず考えるという父の意志を継いで、主人公は客の遭難救助に全力を尽くす。夏山といえども厳しい自然はベテラン登山者でも危機に陥れることもある。紅葉の美しさ、高山植物の可憐さの映像と嵐が牙をむく場面の対比は印象的だ。山小屋の名前は主人公の父がつけた「菫小屋」、最愛の妻の名前で、高山植物「タカネスミレ」も岩陰の中で咲く映像が登場する。雷鳥も白の冬バージョンと茶の夏バージョンで登場したりこの映画、サービス精神も旺盛だ。

昔の山小屋は素泊まりが基本で食事は宿泊客が自炊したが、最近は山小屋の食事が充実しているようだ。主人公を支える山小屋で働く娘は美味しいという評判の食事を出すが、2500mの室堂から3000mの山小屋(多分大汝山の肩に位置)まで、人力で食材を担ぎ上げる。重い時は60Kgをこえるというが、映画の冒頭、トレーダーをやっていた主人公がこの荷物運びに難儀する。しかし終盤、主人公は山小屋の個室化を計り母の名のついた菫小屋を充実させる。

かつてスキーで立山に行った時は春か秋で、明け方アイゼンをつけて登り、滑っておりてくるだけの繰り返しだったが、夏の花畑は広大で、日本を代表する山岳リゾートだ。室堂付近はスイスのユングフラウのように交通機関も便利だし、温泉もあり年寄りにも楽しめる。この映画は立山の魅力を紹介すると同時に親子、友人、山仲間といった人間関係の素晴らしさを盛り込み、さわやかな仕上がりとなっている。

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