前回 林芙美子で
幼年~青春期を過ごし
放浪記に「尾道」を
“旅の古里”としたことに触れた。
その尾道について
映画作品から見てみたい。
ここ尾道がロケ地として
多くの作品が作られているが
「日本映画を歩く」
(川本三郎・JTB)では
13篇中一番目に
「尾道に残る東京物語」として
また「映画監督50人 自作を歩く」
(東京新聞)でも
当地出身の大林宜彦監督が
一番手として
尾道を話題にしている。
それほど ここ尾道は
映画のロケ地に
なっている場所としては
上位にランクされるだろう。
(「日本映画ベスト150」から)
その「東京物語」
(1953年小津安二郎)は
日本映ベスト150で
小津監督の代表作として
堂々の 2位に選ばれている。
大林監督は
「尾道の由来は“山の尾の道”
山からすぐに海へと
繋がる細長い尾根、
その斜面の上、
町はすべり落ちそうに
乗っかかっている。
だから町のどこからでも海が見え、
その海は多島海とよばれて、
無数の小さな島が
浮かぶ美しい海だ。」と
また「現在、
映画監督としての
僕に最も必要な「感性は」は
すべてこの風土で育てられた。
だから尾道での映画作りは、
僕にとって「親孝行」に継ぐ
「古里孝行」なのである。」
とも言っている。
山あり 海ありの自然と
坂と寺の町が
戦災にもあっていなく
庶民が生活する舞台として
また 都会と古里との
対比で絵になる?
「東京物語」がその特徴を
最大限に映しだしている。
「東京物語」というよりも
「尾道物語」ともいうべきか?
なお 大林監督は
今年4月10日に亡くなった。
享年82
当方も 青春時代に 尾道経由で
四国に渡ったことがあるが
その時の記憶よりも
映画での尾道が蘇る。
主な作品は
「東京物語」(53小津安二郎)
「素足の娘」(57阿部豊)
「集金旅行」(57中村登)
「暗夜行路」(59豊田四郎)
「放浪記」 (62成瀬巳喜男)
「憎いあンちくしょう」(62蔵原惟繕)
「うず潮」 (64斎藤武市)
大林監督作品
「転校生」(82)
「時をかける少女」(83)
「さびしんぼう」(85)
「ふたり」(91)
「あした」(94)
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