あかない日記

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クーデンホーフ光子 3 

2021-09-08 | 人物忌

 

続きクーデンホーフ光子について触れる。

光子は 日本で長男と次男を産み
総勢 7人の子をもうけるが
夫ハインリヒが亡くなったとき
光子31歳 
子供たちは 
  上が12歳 下が2歳半だった。


その子供たちを取り上げて見る。


○長男:ヨハネス
   (光太郎)  1893-1965 


裕福なハンガリー系ユダヤ人の一族出身で

オーストリア=ハンガリー帝国
最初の女性パイロット

リリー・シュタインシュナイダー
(1891-1975)と最初の結婚する。

のちに
女優ウルスラ・グロースと再婚し

先妻の長女 ピクシーは後に
光子の心の支えになる。



○次男:リヒャルト
(栄次郎) 1894-1972 

戦後の 1918(T7)年 
リヒャルトが有名舞台女優

イダ・ローラント(1881-1951)と
結婚すると言い出すが

イダ・ローラントは
ユダヤ人で離婚歴が2度有り

加えて年齢が34歳で19歳のリヒャルトと
大きく離れていることから光子と対立し
リヒャルトは駆け落ちをしてしまう。
光子は死ぬまでリヒャルトを許さなかった。



1923(T12)年 
 妻のイダの経済的支援で
「汎ヨーロッパ主義」
を出版し
「ヨーロッパの28の民主主義国家が
アメリカのような一つの連邦国家として
まとまるべきだ」
と唱えて 
一躍ヨーロッパ論壇の寵児となる。


リヒャルトの母が東洋人光子光子の子であることがわかり
光子は“欧州連盟案の母”として知られる。

その後 リヒャルトはナチスに追われ
妻のイダ・ローランとアメリカに亡命した。

その逃避行が 
不滅の人気のアカデミー賞映画
「カサブランカ」のモデルになっている。

 *映画「カサブランカ」は
  当ブログ(2011/4/10)で触れている。

*結婚歴は
1918(T')年 イダ・ローラント
(1881-1951)と結婚
1952年 アレクサンドラ・フォン・
 ティーレ=ヴィンクラー伯爵夫人
 (1896-1968)と再婚

1969年 メラニー・ベナツキー=ホフマン
 (1909-1983)と再々婚


○三男:ゲロルフ
   (ゲオルフ)1896-1978

1941年までプラハの日本大使館の
秘書兼報道官であり

プラハのカレル大学で
日本語と歴史の講師を務め

オリエンタルインスティテュートの
副学長を務めた。


なお 長女のバーバラ・クーデンホーフ
 ・カレルギー(1932-)は
 オーストリアのジャーナリスト。


2001年 トマーシュ・ガリーグ・
 マサリク クラスIVを受章している。

また三男のミャエル・クーデンホーフ
=カレルギー(1937-2018)は 画家で

 2002年から日本で暮らしていた。

 




○長女:エリザベート 1898-1936
 
 ウィーン大学で法律と
 経済学の博士号をとり
 最も優秀な頭脳を持っていたとも。

 
 オーストリアの独裁者エンゲルベルト
 ・ドルフース
首相(1892-1934)の
 秘書を務めていたが
 その後
 この首相はナチス党が政権を取った
 ドイツに殺されため 

 パリへ亡命したが病気で若死にしている。


 

 

○次女:オルガ   1900-1976

母光子が脳溢血で半身不随になった時
25才であったが

光子の口述筆記を受け持ち
母の介護のため進学 婚期を逃し
生涯独身であった。


光子の死後 第二次世界大戦が終わると
チェコ兵によって収容所に入れられ

その後難民キャンプで暮らし、
ドイツで生活保護を受けながら、
貧しく孤独な生涯を終えている。




○三女:イダ・フリーデリケ・ゲレス
 1901-1971

 
ウィーン大学卒業後
 20世紀カソリック文学の
  代表的作家になる。




○四男:カール    1903-1987

 ギリシャで大学教授をして
 スイスで文筆業に。


 


光子の晩年

光子死去時(1941)見守ったには
三女・オルガだけ 
葬儀に間に合ったのは 
三男ゲロルフ(44歳)と
三女イダ(40歳)だけであった。

当時 長男ハンス(48歳)は 
妻がユダヤ人のためローマに

  次男 リヒャルト(47歳)はアメリカへ亡命中 
  四男 カール(38歳)はギリシャに 
  長女 エリザベートはすでに亡くなっていた。 
    ( )内は当時の年齢



7人の子供は 
長女を除いて光子より永い生涯を終えている。

・ハインリッヒ・クーデンホーフ・カレルギー
  1859-1906・46歳
・クーデンホーフ光子
   1874-1941・67歳
・長男 ハンス(光太郎)
    1893-1965・72歳
・次男 リヒャルト(栄次郎)
  1894-1972・77歳
・三男 ゲオルフ(ゲロルフ)
   1896-1978・82歳
・長女 エリザベート
  1898-1936・38歳

・次女 オルガ 
   1900-1976・76歳

・三女 イダ・フリーデリケ・ゲレス
  1901-1971・70歳
・四男 カール
  1903-1987・84歳

 

また 7人の内3人が博士号を取得
 2人が作家になっている。

 

*写真はNHK「ザ・プロファイヤー」から

 

 



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