ラノベ(ライトノベル)の定義は、ややあいまいなものであるけれども、この「さよならピアノソナタ」は、かわいい女の子のアニメ調イラスト、電撃文庫から出ていること、中高生向け小説であることなど、どこからどうみても完璧に「ラノベ」にあてはまっている。
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←またろう推薦のラノベです
もうひとつ、私がまたろう経由で触れることになったいくつかのラノベの共通点をいえば、
・やや気弱な主人公男子がいて
・えらく個性的で能力が高くかわいい女の子たちがいて
・主人公男子はその女の子たちに翻弄されつつレアな体験に引き込まれていくこと
だな。
そういう意味でも、この「さよならピアノソナタ」はかんっぺきなラノベだ。
ラノベにはもうひとつ、荒唐無稽でベタな設定というのがつきもので、この本でいうと、天才少女の名をほしいままにしたピアニストが、心の疲れから手が動かなくなり、ピアノから離れているという、恥ずかしいくらいありがちな設定で、それだけ聞くと「つまんなそう」なんだけど(^^;; 私はこれがものすごくおもしろかったのだ。
ひとつには、この本の中にちりばめられている、クラシックからロックまで、めちゃくちゃ幅広い曲の数々が、非常に効果的に使われていること。そういう意味では、のだめ効果というか、頭の中でその曲が鳴る人にとってはたまらないってところがある。
この本の中で、重要な位置を占めている楽器は、ピアノと、それからエレキのギター(およびベース)である。というよりむしろギターが中心なのかな。
ラノベが「男の子が女の子たちに巻き込まれていく」ストーリーであるにしても、この場合、コトが音楽であるから、何の素地もないところにスバラシイ音楽体験が待っていてはやはり説得力がなさすぎるとしたものだ。この場合、主人公は楽器をやってたわけじゃないんだけど、機械いじりはやたら得意で、ジャンクをあさってはオーディオを組み立てたりもともとしていた設定になっている。
元ピアニストの女の子は、左手は動くが右手の指が親指と人差し指くらいしか動かないという設定で(なんだそのご都合主義的な設定はというツッコミは却下)、リングをつけるなど改造したピックを使って、超絶技巧ギターを弾いている。
主人公の男の子は、話に巻き込まれてエレキベースを買うことになったのだけど、買った楽器はまぁそんなに高級品ではない。でもそれをチューニングして音色を変えるシーンがあって、そこに機械いじりの経験が生かされている、ことになっている。
ま、このへんつっこんでもしょうがないので、どうでもいいことです。そうやって、強引な設定、現実にありえない展開は勢いで読み進めるとして、その女の子の弾くギターと、男の子の弾くベースが奇跡的に溶け合ってからみあいながら緊迫感のある音楽を作り上げるシーンはほんとに圧巻だった。
---
どこまでがぼくのベースの音で、どこからが真冬のギターの音か、わからなかった。ぼくが改造したアリアプロⅡと真冬のストラトは、同じ一本の樹から削りだして作った双子みたいに完全に溶け合っていた。ただ合うように調整したというだけじゃ説明のつかない、ほんの一ミリのずれが、一本のバイパス回路が、一目盛りのトーンバランスが、組み合わさって引き起こした奇跡。
まるで、真冬とぼくが、一人の人間の右手と左手みたいに…
--- (そしてこのあと、フーガに突入。)
「生で響きあうアンサンブルの醍醐味」について、語っても語りつくせることはないけれど。このラノベはラノベとして、ある部分の音楽の楽しみをうまく切り出しているなぁと思った。
ぜんぜん関係ないけれど、「生で響きあう」「スゴイ人に引き込まれる」ということをシンプルに示している動画があったのでご紹介。
矢野顕子&清水ミチコ ピアノ講座←マジうれしそうな清水ミチコが印象的
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・やや気弱な主人公男子がいて
・えらく個性的で能力が高くかわいい女の子たちがいて
・主人公男子はその女の子たちに翻弄されつつレアな体験に引き込まれていくこと
だな。
そういう意味でも、この「さよならピアノソナタ」はかんっぺきなラノベだ。
ラノベにはもうひとつ、荒唐無稽でベタな設定というのがつきもので、この本でいうと、天才少女の名をほしいままにしたピアニストが、心の疲れから手が動かなくなり、ピアノから離れているという、恥ずかしいくらいありがちな設定で、それだけ聞くと「つまんなそう」なんだけど(^^;; 私はこれがものすごくおもしろかったのだ。
ひとつには、この本の中にちりばめられている、クラシックからロックまで、めちゃくちゃ幅広い曲の数々が、非常に効果的に使われていること。そういう意味では、のだめ効果というか、頭の中でその曲が鳴る人にとってはたまらないってところがある。
この本の中で、重要な位置を占めている楽器は、ピアノと、それからエレキのギター(およびベース)である。というよりむしろギターが中心なのかな。
ラノベが「男の子が女の子たちに巻き込まれていく」ストーリーであるにしても、この場合、コトが音楽であるから、何の素地もないところにスバラシイ音楽体験が待っていてはやはり説得力がなさすぎるとしたものだ。この場合、主人公は楽器をやってたわけじゃないんだけど、機械いじりはやたら得意で、ジャンクをあさってはオーディオを組み立てたりもともとしていた設定になっている。
元ピアニストの女の子は、左手は動くが右手の指が親指と人差し指くらいしか動かないという設定で(なんだそのご都合主義的な設定はというツッコミは却下)、リングをつけるなど改造したピックを使って、超絶技巧ギターを弾いている。
主人公の男の子は、話に巻き込まれてエレキベースを買うことになったのだけど、買った楽器はまぁそんなに高級品ではない。でもそれをチューニングして音色を変えるシーンがあって、そこに機械いじりの経験が生かされている、ことになっている。
ま、このへんつっこんでもしょうがないので、どうでもいいことです。そうやって、強引な設定、現実にありえない展開は勢いで読み進めるとして、その女の子の弾くギターと、男の子の弾くベースが奇跡的に溶け合ってからみあいながら緊迫感のある音楽を作り上げるシーンはほんとに圧巻だった。
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どこまでがぼくのベースの音で、どこからが真冬のギターの音か、わからなかった。ぼくが改造したアリアプロⅡと真冬のストラトは、同じ一本の樹から削りだして作った双子みたいに完全に溶け合っていた。ただ合うように調整したというだけじゃ説明のつかない、ほんの一ミリのずれが、一本のバイパス回路が、一目盛りのトーンバランスが、組み合わさって引き起こした奇跡。
まるで、真冬とぼくが、一人の人間の右手と左手みたいに…
--- (そしてこのあと、フーガに突入。)
「生で響きあうアンサンブルの醍醐味」について、語っても語りつくせることはないけれど。このラノベはラノベとして、ある部分の音楽の楽しみをうまく切り出しているなぁと思った。
ぜんぜん関係ないけれど、「生で響きあう」「スゴイ人に引き込まれる」ということをシンプルに示している動画があったのでご紹介。
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