先日書いたように、ピアノWeb発表会にシベリウスの「踊り」をアップしたあと、プロの演奏を聞いたら「かっ速かった」のだけど…
←ひとつの曲に、多様な可能性
それから、できる限りいろんな手がかりを集めて、考えてみた。
まずは、楽譜のあとについてた、舘野泉さんの解説:
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半年も続いた長い冬がすぎ、雪も氷も溶けさると北欧ではあっという間に春がやって来、すぐに初夏と続いていく。さわやかな風が新緑をそよがせてすぎる初夏の日に、人々は戸外に出て踊りを楽しむ。アコーデオンやバイオリンの鄙びた響きが空にたちのぼり、ステップを踏む大地はひざを埋める雪でも、硬くて滑る氷でもない。
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これは、私のイメージともピタリ一致する。ずいぶん具体的に書いてくれてますね。
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1小節をひと振りに考えて、con motoと指示にあるように付点二分音符=80位の、動きのあるテンポが望ましいが、あまり活発で派手やかにはならないように。
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あれ、「付点二分音符=80位」といったらジャストあの、「かっ速い」演奏と同じなんだけど。でも、「あまり活発で派手やかにはならない」との整合性が謎だ…
一方、ダークチェリータルトさんが教えてくれたピティナの「ピアノ曲事典」によれば、2m0sとのことだからこれはむしろ私の演奏のほうに似ている。
ただし、ピアノ曲事典の中でも、これは音源がついていない曲なので、どのような演奏を想定しているかはわからない。ところで、参考までに、この事典にある演奏時間と、渡邉さんのCDの演奏時間を比較してみる(後者が渡邉)
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1 踊り 2m0s → 0m56s
2 ノヴェレッテ 1m30s → 1m02s
3 ソネット 1m30s → 2m37s
4 羊飼の男と女 1m30s → 2m27s
5 メロディ 2m0s → 1m57s
6 ガヴォット 1m30s → 1m36s
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赤字は速くなっているもの、青字は遅くなっているもの。こうしてみるとずいぶん違うんだなと思う。けど「踊り」のズレは特に大きい。
この曲の冒頭の四小節は、何か手がかりになると思う。たとえば私の勝手な想像は「鐘の音」だったけれども、舘野さん解説ではアコーディオン。
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最初の四小節の序奏はピアノの響きとしては何かかけているような感じがするが、これはアコーデオンの鄙びた、やや不器用な響きを模したのだろう。
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渡邉さん演奏では、何を思い浮かべているのかな。アコーディオンとかバイオリンとかいう感じはまったくしないんだけど…もっと反応(音の立ち上がり)のいい楽器だよね。
まぁ結局、調べたって「正解」が出てくるものではないのだけど。私が始めに録音したときのイメージが「村人たちこぞって踊っている(盆踊り的)」というものだったとすれば、もっと躍動感のある…「踊りのうまい娘が中心に出て踊っている」というような演奏にしたらどうだろうか。と思って、私なりに再録音してみた。
→こうなった(1m37s)
#でももちろん「0m56s」の世界はこんなものではない(^^;;
いろいろ変えるとまた別の雰囲気になっておもしろいよね。
舘野さんの解説にはこんなことも書いてある:
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ここに書いたことは勿論絶対のものではないし、ただこういう方法もあると思って読んでいただき、次の日には忘れて頂くこと、何よりもあなた自身の感覚を信じることが大事だと思う。
私は自分の言ったことや書いたことを信じない。別の言い方をすれば私はあれも信じるしこれも信じるしそれも信じる。明日また私は違ったことを言ったり書いたりするだろうし、ここに書いたのと違った演奏もするだろう。私はそれでいいと思う。演奏は一回毎に新しく生まれ変わるべきものであり、同じ曲を何度演奏してもその新鮮さが失われないようであってほしいと思う。
-----(太字はアンダンテによる)
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それから、できる限りいろんな手がかりを集めて、考えてみた。
まずは、楽譜のあとについてた、舘野泉さんの解説:
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半年も続いた長い冬がすぎ、雪も氷も溶けさると北欧ではあっという間に春がやって来、すぐに初夏と続いていく。さわやかな風が新緑をそよがせてすぎる初夏の日に、人々は戸外に出て踊りを楽しむ。アコーデオンやバイオリンの鄙びた響きが空にたちのぼり、ステップを踏む大地はひざを埋める雪でも、硬くて滑る氷でもない。
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これは、私のイメージともピタリ一致する。ずいぶん具体的に書いてくれてますね。
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1小節をひと振りに考えて、con motoと指示にあるように付点二分音符=80位の、動きのあるテンポが望ましいが、あまり活発で派手やかにはならないように。
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あれ、「付点二分音符=80位」といったらジャストあの、「かっ速い」演奏と同じなんだけど。でも、「あまり活発で派手やかにはならない」との整合性が謎だ…
一方、ダークチェリータルトさんが教えてくれたピティナの「ピアノ曲事典」によれば、2m0sとのことだからこれはむしろ私の演奏のほうに似ている。
ただし、ピアノ曲事典の中でも、これは音源がついていない曲なので、どのような演奏を想定しているかはわからない。ところで、参考までに、この事典にある演奏時間と、渡邉さんのCDの演奏時間を比較してみる(後者が渡邉)
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1 踊り 2m0s → 0m56s
2 ノヴェレッテ 1m30s → 1m02s
3 ソネット 1m30s → 2m37s
4 羊飼の男と女 1m30s → 2m27s
5 メロディ 2m0s → 1m57s
6 ガヴォット 1m30s → 1m36s
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赤字は速くなっているもの、青字は遅くなっているもの。こうしてみるとずいぶん違うんだなと思う。けど「踊り」のズレは特に大きい。
この曲の冒頭の四小節は、何か手がかりになると思う。たとえば私の勝手な想像は「鐘の音」だったけれども、舘野さん解説ではアコーディオン。
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最初の四小節の序奏はピアノの響きとしては何かかけているような感じがするが、これはアコーデオンの鄙びた、やや不器用な響きを模したのだろう。
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渡邉さん演奏では、何を思い浮かべているのかな。アコーディオンとかバイオリンとかいう感じはまったくしないんだけど…もっと反応(音の立ち上がり)のいい楽器だよね。
まぁ結局、調べたって「正解」が出てくるものではないのだけど。私が始めに録音したときのイメージが「村人たちこぞって踊っている(盆踊り的)」というものだったとすれば、もっと躍動感のある…「踊りのうまい娘が中心に出て踊っている」というような演奏にしたらどうだろうか。と思って、私なりに再録音してみた。
→こうなった(1m37s)
#でももちろん「0m56s」の世界はこんなものではない(^^;;
いろいろ変えるとまた別の雰囲気になっておもしろいよね。
舘野さんの解説にはこんなことも書いてある:
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ここに書いたことは勿論絶対のものではないし、ただこういう方法もあると思って読んでいただき、次の日には忘れて頂くこと、何よりもあなた自身の感覚を信じることが大事だと思う。
私は自分の言ったことや書いたことを信じない。別の言い方をすれば私はあれも信じるしこれも信じるしそれも信じる。明日また私は違ったことを言ったり書いたりするだろうし、ここに書いたのと違った演奏もするだろう。私はそれでいいと思う。演奏は一回毎に新しく生まれ変わるべきものであり、同じ曲を何度演奏してもその新鮮さが失われないようであってほしいと思う。
-----(太字はアンダンテによる)
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