アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

スーパー・ロックスターとしてのパガニーニ

2014年07月21日 | バイオリン
ちまちまとバイオリンを習ってはいますが、まーおそらく一生、ご縁がないと思われます作曲家がパガニーニ。

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私のピアノとリスト、というよりさらに遠いですね。

ということで、よくは知らないんですけどとにかく超絶技巧イメージの作曲家、いや、作曲家というよりバイオリニストなのかな? 「パガニーニ 愛と狂気のバイオリニスト」(←公式サイト。予告編も見られます)という映画がありましたので見てきました。

この映画が最初、私の注意を引きつけたのは、予告編を見たときに、「あれ、この人(パガニーニ役の俳優)マジ弾いてる」ということでした。

ほら、のだめ映画なんかでは、千秋やのだめが弾くシーンにプロがアテレコしてるわけですけど、そしてそれは過去のあまたある稚拙な音楽シーンよりはかなり周到に練習されたものではありましたけど、やっぱりね。かなり嘘っぽさは漂います。特に、バイオリンは難しいですよね。弾いてる手や弓と顔が近すぎて、分けて映すのもやりにくいですし。(もちろん、だからといって映画としてダメなわけではない)

ところがこの映画では、超絶技巧で弾くシーン満載なんですけど、明らかに俳優さん自身が弾いてるんですね。んんん?? こんなにバイオリンが弾ける俳優がいるのか?? あるいは、演技ができるバイオリニストがいたのか?? どっち??

答えは、「俳優ではなくバイオリニスト」でした。デイヴィッド・ギャレットという人で、10歳でハンブルク・フィルハーモニー管弦楽団と初競演、13歳でドイツ・グラモフォン社と最年少専属契約、とかそういう早熟天才系。若いころ(まだ若いけどね)はモーツァルトとかパガニーニとかチャイコフスキーとかの録音を出していたけど最近はロックとクラシックの融合がテーマなのかしらん。

でもこの人がほんとにハマリ役で、イケメンで、たいへん男くさくて、退廃的で、そんでめちゃくちゃ(悪魔的に)バイオリンが弾けちゃう。

俳優としてのトレーニングは別に受けたことないらしいけど、信じられない(o_o)

今回は、与えられた役をこなすというより、バイオリニストとしての経験やポリシーをシナリオや演出に生かしつつ、映画作りに積極的に関わったらしい。

脇を固めているのは本職の俳優たちだけれども、ソプラノ歌手であるシャーロット・ワトソン役、ピアニストであり指揮者であるジョン・ワトソン役はいずれも音楽の専門的な勉強をしたことがある人で、自分で歌ったり弾いたりしてます。

特にシャーロット・ワトソン役の人が、声も姿も美しくて、凛としてすばらしい女性なの。パガニーニが作ったアリアをシャーロットが試しに歌ってみるシーン(ベッドに座って)は、パガニーニが傍らに腰掛けてバイオリンを…弾くのではなくてギターみたいに抱えて弦をはじいてるんですけど、とても印象的です。

で、パガニーニとシャーロットの間に芽生えかける感情は純愛と呼ぶにふさわしいもの、なのかもしれないんだけど、でもそもそも、パガニーニの「ろくでなし」度がハンパないんで、とにかくシャーロットには「逃げて~!!」といいたくなりますね。

ともかく、人としてダメなところも含めて大勢がとにかく気になってしまう魅力を持つスーパースターであるパガニーニ、でもその商品価値は単独で存在できるものではなくて、仕掛け人というかプロデューサーが必要なのだな、とか。おもしろい映画でした。後味はあんまりよくない。だってパガニーニがダメすぎるんだもん(笑)

とはいえ、もっと品行方正な現代の演奏家はパガニーニほどの大物にはならないのかな、とか。

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コメント (12)
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