「四月は君の嘘」は一言でいうと、正確無比無味乾燥な演奏してた男子が、トラウマで弾けなくなったトンネルの時期を経て、変なバイオリニスト女子との出会いから再び弾く理由を見つけて、カラフルな音と表現を見つけるまで。というお話だったわけだが。(一言にしちゃ長かった)
←田園も弾きたいの
作中、ちらっと出てくる「いちご同盟」という小説があって、これはリアルで存在する本。
ある部分、下敷きにされているところがあるようなので、読んでみた。
そしたら、「ある部分」どころではなくて、主人公男子はピアノ弾きの中学生で、明るいスポーツマン人気者の男子に引きずられるようにして、重い病気で入院中の中学生女子のお見舞いに行ったり行かなかったりするようになり、あれこれあって結局演奏の劇的ビフォーアフターがあった。
という、身も蓋もない下手くそなまとめをするとそういう感じで、その限りでいえば「まんまいっしょやん」ということにもなる。
アニメでも出てくる「あたしと、心中しない?」というセリフは、この小説から取ったものだ。
とはいえ、似ているのはそういうところ(設定概要)くらいなもので、音楽の面からいえば、似ていない、というかある意味真逆。
女の子は、別に音楽系の子じゃなくて、小さいころピアノを習ったことはあるけど下手ですぐやめてしまったという設定。だから、別に彼女といっしょに音楽を奏でたいとかそういうんじゃないのね。
そもそも、主人公男子のピアノが、「四月は…」と違ってそんなものすごくうまくはなくて、母親(ピアノ教師)からも「音大行くほどじゃない」と思われているし、本人も、音楽系の高校受験にも自信持てない程度。
共通するのは母親が「正確に」を強調するタイプのピアニスト(ピアノ教師)であるってことかな。
けど、いちご同盟のほうの主人公は、それに反発していて、自由勝手に「感情こめて」弾くのが好き。
ビフォーアフターの象徴となる曲は、こちらではベートーベンのピアノソナタ「田園」。私は好きな曲だけど、この主人公にとっては「ひたすら穏やかで何の感動もない、音による風景画。課題なので毎日練習しているけれど、どうにも好きになれなかったこの曲」という位置づけ。
それが、女の子の状態が悪くなったとき、曲を弾くような気分じゃまったくなくて、気持ちが沈んで…でも、「いまはピアノの前にいるのが、何をするよりも落ち着くように思われた」ということで、ハノン、バッハと弾き始める。
お気に入りのラヴェル(亡き王女)を弾こうとは思わず「感傷に耽るのではなく、機械的な音の流れに身を任せていたかった。何も考えず、何の感情も持たず、ただ音にだけ耳を澄ませている」ということで田園をチョイスする。
そして本人的には「機械のように正確に」感情をこめずに淡々と弾き進めてきたら、「ことさらに声を高める必要はなかった。むしろメトロノームのような音の一つ一つに、悲しみがこめられていた。音が響くだけで、心がふるえた。」
「わざと抑揚をつけ、テンポを崩して、感情をこめようとしていたいままでの自分の演奏が恥ずかしかった」
弾き終わったときの、深い充実感。
ね? 方向は真逆なんだけど、結局、何が表現豊かな演奏なのか、というね…
なんか書ききれない。続きはまたこんど。
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「はじめての中学受験 第一志望合格のためにやってよかった5つのこと~アンダンテのだんだんと中受日記完結編」ダイヤモンド社 ←またろうがイラストを描いた本(^^)
「発達障害グレーゾーン まったり息子の成長日記」ダイヤモンド社
(今回もイラストはまたろう)
←田園も弾きたいの
作中、ちらっと出てくる「いちご同盟」という小説があって、これはリアルで存在する本。
ある部分、下敷きにされているところがあるようなので、読んでみた。
そしたら、「ある部分」どころではなくて、主人公男子はピアノ弾きの中学生で、明るいスポーツマン人気者の男子に引きずられるようにして、重い病気で入院中の中学生女子のお見舞いに行ったり行かなかったりするようになり、あれこれあって結局演奏の劇的ビフォーアフターがあった。
という、身も蓋もない下手くそなまとめをするとそういう感じで、その限りでいえば「まんまいっしょやん」ということにもなる。
アニメでも出てくる「あたしと、心中しない?」というセリフは、この小説から取ったものだ。
とはいえ、似ているのはそういうところ(設定概要)くらいなもので、音楽の面からいえば、似ていない、というかある意味真逆。
女の子は、別に音楽系の子じゃなくて、小さいころピアノを習ったことはあるけど下手ですぐやめてしまったという設定。だから、別に彼女といっしょに音楽を奏でたいとかそういうんじゃないのね。
そもそも、主人公男子のピアノが、「四月は…」と違ってそんなものすごくうまくはなくて、母親(ピアノ教師)からも「音大行くほどじゃない」と思われているし、本人も、音楽系の高校受験にも自信持てない程度。
共通するのは母親が「正確に」を強調するタイプのピアニスト(ピアノ教師)であるってことかな。
けど、いちご同盟のほうの主人公は、それに反発していて、自由勝手に「感情こめて」弾くのが好き。
ビフォーアフターの象徴となる曲は、こちらではベートーベンのピアノソナタ「田園」。私は好きな曲だけど、この主人公にとっては「ひたすら穏やかで何の感動もない、音による風景画。課題なので毎日練習しているけれど、どうにも好きになれなかったこの曲」という位置づけ。
それが、女の子の状態が悪くなったとき、曲を弾くような気分じゃまったくなくて、気持ちが沈んで…でも、「いまはピアノの前にいるのが、何をするよりも落ち着くように思われた」ということで、ハノン、バッハと弾き始める。
お気に入りのラヴェル(亡き王女)を弾こうとは思わず「感傷に耽るのではなく、機械的な音の流れに身を任せていたかった。何も考えず、何の感情も持たず、ただ音にだけ耳を澄ませている」ということで田園をチョイスする。
そして本人的には「機械のように正確に」感情をこめずに淡々と弾き進めてきたら、「ことさらに声を高める必要はなかった。むしろメトロノームのような音の一つ一つに、悲しみがこめられていた。音が響くだけで、心がふるえた。」
「わざと抑揚をつけ、テンポを崩して、感情をこめようとしていたいままでの自分の演奏が恥ずかしかった」
弾き終わったときの、深い充実感。
ね? 方向は真逆なんだけど、結局、何が表現豊かな演奏なのか、というね…
なんか書ききれない。続きはまたこんど。
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「はじめての中学受験 第一志望合格のためにやってよかった5つのこと~アンダンテのだんだんと中受日記完結編」ダイヤモンド社 ←またろうがイラストを描いた本(^^)
「発達障害グレーゾーン まったり息子の成長日記」ダイヤモンド社
(今回もイラストはまたろう)