「ボール裁判」の決着がおとといついたので、昨日はコンビニで新聞を買ってみた。
←またろうを育てることって巨大なリスクだったような
一面トップがこの記事だったのは読売新聞だけだったのでそれ買ってきて…しみじみ読んだ。
最高裁では裁判官四人が全員一致で、一審、二審の賠償命令を破棄。
この事件は、
小学校の校庭で放課後にサッカーしてて、フリーキックの練習で蹴ったボールがゴールを外れて門扉も越えて道路に転がったんだけど、それをよけようとしたオートバイが転倒したというもの。
オートバイを運転していた人が85歳の男性で、足を骨折して入院したのをきっかけに寝付いてしまい認知症が進み、事故から1年4か月後に肺炎で死亡。
という、たいへん不幸な出来事だったんだけど、遺族がボール蹴った子(当時11歳)の親に損害賠償を求めて裁判を起こして、二審では1180万円払えという判決が出たのね。
責任能力がない子どもが事故を起こした場合、「監督義務者」である親が賠償責任を負うというのはすんなり納得がいく。ま、例えば、子どもが商品壊したら弁償するとかね。またろうを連れて買い物するときとかはいつもびくびくでしたわ(^^;;
しかし監督義務を怠らないってどういうことなのか…
放課後の校庭でサッカーするのふつうだし。
ゴールに向かってボール蹴るし。
でも外すこともあるし。
「親は、子供が人身に危険が及ばないよう注意して行動するよう、日頃から指導監督する義務がある」
(今回の判決骨子から)
そうですね、例えばだけど道路でサッカーするなとか。けど、今回の場合、別に親のしつけが変だったわけじゃないですからね。
一千万円超に相当する監督義務違反があった
ってことになっちゃうんですか? これで??
という違和感と恐怖を抱えつつ、うっかり男子を育てる親はこの裁判の成り行きを注目してたと思います。
今回の判断は
「通常は危険が及ばない行為で、たまたま損害を生じさせた場合は、具体的に予見可能だったなどの特別な事情が認められない限り、監督義務を尽くさなかったとすべきではない」
ということで、ともかくよかったー、というかそもそも一審、二審はなんであんな結論だったのよ!? という日常的感覚を持つ人が多いんじゃないでしょうか。私もそう思っていたんですが、新聞をじっくり読んでいて、なかなかやっかいな話なんだなぁと。
これまで、親の監督責任の「免責」というのはほとんど認められたことがなくて、ものすごく画期的な斬新な判断なんですって。今回の判決は。
確かに、考えてみれば、もしもサッカーボールが転げ出して、バイク転倒じゃなくて、お向かいさんの植木鉢を割っちゃったとするでしょ。そしたら親がどうもすいませんいうて弁償するのはおかしくないような気がするんです。
放課後の校庭でサッカーしてた、そのことは親のしつけが悪いとかいうことではないけれど、たまたまそういうことになっちゃったら、親が払う。そのときに、
「通常は危険が及ばない行為で、たまたま損害を生じさせた場合は、具体的に予見可能だったなどの特別な事情が認められない限り、監督義務を尽くさなかったとすべきではない」
なんつーて、親が弁償しなかったら、植木鉢壊されちゃった人はナニーってなりますよね。
この感覚のねじれはなんだろう、と思うと、「ボール転げた」という過失(?)の重大性というか。
コドモのやらかしちゃったことが、火遊びから火事とか、刃物で人を刺したとかじゃなくて、「ボール転げた」が一千万円? というところがそもそもこの事件の違和感の根っこなのかもしれない。
そもそも、なんで「ボール転げた」から死に至ってしまったのかというと、バイク運転者が85歳だったことと深くかかわっていますよね。突然のことに対応できなくて転倒になってしまうのも、転倒したら骨折してしまうのも、骨折から寝付いて認知症になってしまうのも、そこから肺炎を起こして亡くなってしまったのも、若ければ起こりにくかったこと。
運転教習のとき、「予測運転」とか習いませんでした? 小学校の脇を通るときは子どもの飛び出しがあるかもと予測して注意して運転するとかね。ボールが飛び出してくるとかも予測の範囲内として運転するのが、運転する側に求められることでしょう。
つまりその85歳男性がバイクを運転するということは、たとえば猫が飛び出して来たら死に至る可能性があるというリスクを承知であえてやってるってことなんだから、「一年四か月後の死」の損害を、ボールにおっかぶせることにそもそも無理があったんじゃ…
と考えると、そこにツッコミを入れないで
「通常は危険が及ばない行為で、たまたま損害を生じさせた場合は、具体的に予見可能だったなどの特別な事情が認められない限り、監督義務を尽くさなかったとすべきではない」
という理屈から今回の損害賠償命令破棄にしたのはなんかもやもやっとするんです。
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「はじめての中学受験 第一志望合格のためにやってよかった5つのこと~アンダンテのだんだんと中受日記完結編」ダイヤモンド社 ←またろうがイラストを描いた本(^^)
「発達障害グレーゾーン まったり息子の成長日記」ダイヤモンド社
(今回もイラストはまたろう)
←またろうを育てることって巨大なリスクだったような
一面トップがこの記事だったのは読売新聞だけだったのでそれ買ってきて…しみじみ読んだ。
最高裁では裁判官四人が全員一致で、一審、二審の賠償命令を破棄。
この事件は、
小学校の校庭で放課後にサッカーしてて、フリーキックの練習で蹴ったボールがゴールを外れて門扉も越えて道路に転がったんだけど、それをよけようとしたオートバイが転倒したというもの。
オートバイを運転していた人が85歳の男性で、足を骨折して入院したのをきっかけに寝付いてしまい認知症が進み、事故から1年4か月後に肺炎で死亡。
という、たいへん不幸な出来事だったんだけど、遺族がボール蹴った子(当時11歳)の親に損害賠償を求めて裁判を起こして、二審では1180万円払えという判決が出たのね。
責任能力がない子どもが事故を起こした場合、「監督義務者」である親が賠償責任を負うというのはすんなり納得がいく。ま、例えば、子どもが商品壊したら弁償するとかね。またろうを連れて買い物するときとかはいつもびくびくでしたわ(^^;;
しかし監督義務を怠らないってどういうことなのか…
放課後の校庭でサッカーするのふつうだし。
ゴールに向かってボール蹴るし。
でも外すこともあるし。
「親は、子供が人身に危険が及ばないよう注意して行動するよう、日頃から指導監督する義務がある」
(今回の判決骨子から)
そうですね、例えばだけど道路でサッカーするなとか。けど、今回の場合、別に親のしつけが変だったわけじゃないですからね。
一千万円超に相当する監督義務違反があった
ってことになっちゃうんですか? これで??
という違和感と恐怖を抱えつつ、うっかり男子を育てる親はこの裁判の成り行きを注目してたと思います。
今回の判断は
「通常は危険が及ばない行為で、たまたま損害を生じさせた場合は、具体的に予見可能だったなどの特別な事情が認められない限り、監督義務を尽くさなかったとすべきではない」
ということで、ともかくよかったー、というかそもそも一審、二審はなんであんな結論だったのよ!? という日常的感覚を持つ人が多いんじゃないでしょうか。私もそう思っていたんですが、新聞をじっくり読んでいて、なかなかやっかいな話なんだなぁと。
これまで、親の監督責任の「免責」というのはほとんど認められたことがなくて、ものすごく画期的な斬新な判断なんですって。今回の判決は。
確かに、考えてみれば、もしもサッカーボールが転げ出して、バイク転倒じゃなくて、お向かいさんの植木鉢を割っちゃったとするでしょ。そしたら親がどうもすいませんいうて弁償するのはおかしくないような気がするんです。
放課後の校庭でサッカーしてた、そのことは親のしつけが悪いとかいうことではないけれど、たまたまそういうことになっちゃったら、親が払う。そのときに、
「通常は危険が及ばない行為で、たまたま損害を生じさせた場合は、具体的に予見可能だったなどの特別な事情が認められない限り、監督義務を尽くさなかったとすべきではない」
なんつーて、親が弁償しなかったら、植木鉢壊されちゃった人はナニーってなりますよね。
この感覚のねじれはなんだろう、と思うと、「ボール転げた」という過失(?)の重大性というか。
コドモのやらかしちゃったことが、火遊びから火事とか、刃物で人を刺したとかじゃなくて、「ボール転げた」が一千万円? というところがそもそもこの事件の違和感の根っこなのかもしれない。
そもそも、なんで「ボール転げた」から死に至ってしまったのかというと、バイク運転者が85歳だったことと深くかかわっていますよね。突然のことに対応できなくて転倒になってしまうのも、転倒したら骨折してしまうのも、骨折から寝付いて認知症になってしまうのも、そこから肺炎を起こして亡くなってしまったのも、若ければ起こりにくかったこと。
運転教習のとき、「予測運転」とか習いませんでした? 小学校の脇を通るときは子どもの飛び出しがあるかもと予測して注意して運転するとかね。ボールが飛び出してくるとかも予測の範囲内として運転するのが、運転する側に求められることでしょう。
つまりその85歳男性がバイクを運転するということは、たとえば猫が飛び出して来たら死に至る可能性があるというリスクを承知であえてやってるってことなんだから、「一年四か月後の死」の損害を、ボールにおっかぶせることにそもそも無理があったんじゃ…
と考えると、そこにツッコミを入れないで
「通常は危険が及ばない行為で、たまたま損害を生じさせた場合は、具体的に予見可能だったなどの特別な事情が認められない限り、監督義務を尽くさなかったとすべきではない」
という理屈から今回の損害賠償命令破棄にしたのはなんかもやもやっとするんです。
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「発達障害グレーゾーン まったり息子の成長日記」ダイヤモンド社
(今回もイラストはまたろう)