「蜜蜂と遠雷」の小説自体がたいへん完成度高いだけに、
そこにさらにあえて何かを足す必要があるのかどうか、という…
←私はもう、とことん付き合っちゃってますが
もちろん映画というのは、それを作ることによって
「あぁそれ聞きたかった!!」
「見たかった!!」
というような曲(春と修羅)や、演奏や、映像を具体化してもらえて、
しかも俳優さんプラスピアニストのダブルで
鮮やかに色分けされ立体的に描き出された4つのキャラクター、という新たな魅力が生まれたわけだけれど。
でも小説に小説を足すというのはどうなんだろうか。
…と、思いながら結局買っちゃった(^^;;
「祝祭と予感」
これは「蜜蜂と遠雷」スピンオフ短編小説集で、しかもこのうちの一つは既に、私が買ったCDのブックレットに含まれていたものなんだけど。それでも気になって買ってしまうという、まったくもって「してやられてる」状態でございます。
収められているのは、
「祝祭と掃苔」(CDブックレットにあったやつ)
亜夜の恩師、綿貫先生は、マサルを音楽(というかピアノ)に導いてくれた人でもあるわけなので、入賞者ツアーでフランスに行く前に、二人揃って墓参りに行くってことになって、そこへなぜか塵もついてきたという話。
まぁ墓参りがどうだということでもないんだけど、彼らの雑談の中に、これから何をしたいとか、塵の家族の状況とかのエピソードあれこれが出てくる。
「獅子と芍薬」
芳ヶ江国際ピアノコンクールの審査員ナサニエルと三枝子が元夫婦だってのは小説で出てきたけど、その二人の出会いのあたりの話。どう出会って好きになったのか、というところも興味深くはあるけど、それより、この二人がホフマン先生に対してどんな思い入れがあるのかというあたりが面白いところ。
「袈裟と鞦韆」
コンクールで課題曲にする委嘱作品を依頼されたとき、菱沼忠明はなぜ「春と修羅」を作ったのか…というきっかけになったある印象的な教え子の話。
「竪琴と葦笛」
小説の時点でマサルはナサニエルの弟子だけど、ジュリアード音楽院に入学した当初からナサニエルについていたわけではない。最初、別の先生のところにいたんだけど、それがどうもしっくりしないってことになって、でもほら、あぁいうところで生徒の側から先生を替えるって難しいのよね。それでどうしたかというと、って話。
「鈴蘭と階段」
コンクール期間中、奏は献身的に亜夜の世話をしつつ、亜夜が入賞したらバイオリンからヴィオラに転向するつもりだと打ち明けてましたよね。それで、ヴィオラに転向することになったんだけど、マイ楽器をどうするかということで決め手がなかなか見つからず悩んでいて、そこへ運命の出会いが!! という話。
「伝説と予感」
そもそもホフマンはどういういきさつで塵を見出したのか、という、まぁいちばん気になるところですね。そこんとこを書いた話。
どれを取っても、おもしろくもあり、小説を読んだときにちょっと知りたく思ったいきさつとかがツボを押さえて描かれていてサービス満点なんだけど、いやそこまでくまなく書いてしまうのがいいものなのか…各人の想像に任せてしまってもいいんじゃないのか…と思いながら読んじゃったよもう。
個人的には、マイ楽器に出会う話が胸アツでした。
人にお奨めするかというとどうなんだろ、微妙。
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←またろうがイラストを描いた本(^^)

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そこにさらにあえて何かを足す必要があるのかどうか、という…

もちろん映画というのは、それを作ることによって
「あぁそれ聞きたかった!!」
「見たかった!!」
というような曲(春と修羅)や、演奏や、映像を具体化してもらえて、
しかも俳優さんプラスピアニストのダブルで
鮮やかに色分けされ立体的に描き出された4つのキャラクター、という新たな魅力が生まれたわけだけれど。
でも小説に小説を足すというのはどうなんだろうか。
…と、思いながら結局買っちゃった(^^;;
「祝祭と予感」
これは「蜜蜂と遠雷」スピンオフ短編小説集で、しかもこのうちの一つは既に、私が買ったCDのブックレットに含まれていたものなんだけど。それでも気になって買ってしまうという、まったくもって「してやられてる」状態でございます。
収められているのは、
「祝祭と掃苔」(CDブックレットにあったやつ)
亜夜の恩師、綿貫先生は、マサルを音楽(というかピアノ)に導いてくれた人でもあるわけなので、入賞者ツアーでフランスに行く前に、二人揃って墓参りに行くってことになって、そこへなぜか塵もついてきたという話。
まぁ墓参りがどうだということでもないんだけど、彼らの雑談の中に、これから何をしたいとか、塵の家族の状況とかのエピソードあれこれが出てくる。
「獅子と芍薬」
芳ヶ江国際ピアノコンクールの審査員ナサニエルと三枝子が元夫婦だってのは小説で出てきたけど、その二人の出会いのあたりの話。どう出会って好きになったのか、というところも興味深くはあるけど、それより、この二人がホフマン先生に対してどんな思い入れがあるのかというあたりが面白いところ。
「袈裟と鞦韆」
コンクールで課題曲にする委嘱作品を依頼されたとき、菱沼忠明はなぜ「春と修羅」を作ったのか…というきっかけになったある印象的な教え子の話。
「竪琴と葦笛」
小説の時点でマサルはナサニエルの弟子だけど、ジュリアード音楽院に入学した当初からナサニエルについていたわけではない。最初、別の先生のところにいたんだけど、それがどうもしっくりしないってことになって、でもほら、あぁいうところで生徒の側から先生を替えるって難しいのよね。それでどうしたかというと、って話。
「鈴蘭と階段」
コンクール期間中、奏は献身的に亜夜の世話をしつつ、亜夜が入賞したらバイオリンからヴィオラに転向するつもりだと打ち明けてましたよね。それで、ヴィオラに転向することになったんだけど、マイ楽器をどうするかということで決め手がなかなか見つからず悩んでいて、そこへ運命の出会いが!! という話。
「伝説と予感」
そもそもホフマンはどういういきさつで塵を見出したのか、という、まぁいちばん気になるところですね。そこんとこを書いた話。
どれを取っても、おもしろくもあり、小説を読んだときにちょっと知りたく思ったいきさつとかがツボを押さえて描かれていてサービス満点なんだけど、いやそこまでくまなく書いてしまうのがいいものなのか…各人の想像に任せてしまってもいいんじゃないのか…と思いながら読んじゃったよもう。
個人的には、マイ楽器に出会う話が胸アツでした。
人にお奨めするかというとどうなんだろ、微妙。
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