アンダンテのだんだんと日記

ごたごたした生活の中から、ひとつずつ「いいこと」を探して、だんだんと優雅な生活を目指す日記

マスクの変節

2023年02月26日 | 生活
コロナ騒ぎの前、だけでなく始まってしばらくくらいまで…

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ユニバーサルマスク(風邪症状のない人でもマスク)が感染対策にならないことは常識でした。その後、マスク推しになった専門家もこんな感じ
(忽那賢志: 医師)

マスクをつけてもインフルエンザ感染を防げない理由(宮坂 昌之: 免疫学)2019年12月

感染防御の手段としてマスクを着けるのは無意味(岩田健太郎: 感染症専門医)2020年7月

岩田氏の記事にもあるように、不織布マスクは大飛沫が(正面に)飛ぶのを防止する道具で、顔とマスクの間はシールされておらずスカスカなので、細かい飛沫やウイルスを防ぐことはできません。N95マスクはフィットテストをして隙間のないようにつけるのが前提なので、ちゃんと空気が濾材を通りますが、苦しくて長時間はつけていられないものです。

そういう理屈の上のことだけではなくて、みんながマスクをすれば感染を防げるかどうかについてはこれまでたくさんの実験が行われてきましたが(主にインフルエンザについて)、効果があるということは示せなかったのです。最もエビデンス・レベルの高い論文(RCTのシステマティックレビュー)で。

Nonpharmaceutical Measures for Pandemic Influenza in Nonhealthcare Settings—Personal Protective and Environmental Measures
CDC「10件以上RCTをメタ解析し効果無」参照論文の期間は1946–2018 (2020年5月)

エビデンス・レベルというのは…試験管内で示されても生きた人間で実際そうなるとは限らない、観察研究で示されたものは何らかのバイアスによるものかもしれないので、RCT(無作為臨床試験)で示されたものが最も確実であり、複数のRCTをまとめたものがさらに確かということ。

ちなみに富嶽のシミュレーションなどはこのピラミッドの中にも入りません。シミュレーションは人が前提を与えてそれに沿って計算した結果だけれど、前提が不適切なら出てくるものは無意味なのでエビデンスにはならない。

新型コロナが流行したときに、少なくとも初めのうち、どのくらい重篤な感染症であるか、どのように感染するかについてもよくわからないことがあったので、
「もしかして役に立つかもしれないからとりあえずみんなでマスクをつけよう」
というのはまだ理解できます。しかし、その後もきちんと科学的な検討を行わないまま、義務や推奨を漫然と続けるのはおかしいでしょう。マスクをつけることの害もあるのですから、有効性について検討し早急に見直さなくてはいけません。

ここで「きちんと科学的な検討を行わないまま」というのはどういうことかというと、マスクの効果に疑問を呈する主張は検閲されたり(YouTubeで削除対象になるなど)、論文が通りにくかったり、極力ないことにされていたということです。そのままけっこうな長い時間が経ちましたが…

…その言論封殺は2022年の途中でなぜか止まり、検閲もされなくなりました。

その後、インフルエンザだけでなく新型コロナも対象にした最高のエビデンス・レベルの論文が出て科学的な議論は(日本以外では)ほぼ決着しました。

Physical interventions to interrupt or reduce the spread of respiratory viruses
コクラン・レビュー、78のRCTを元に「マスクに予防効果があるとは言えない」(2023年1月)

この論文ひとつの内容がどう、というより、効果ありとしない論文を世に出せて、議論も(削除されずに)できるようになったという変化です。そうして三年間を振り返ってみると、マスクはやっぱり人に押し付けられるような根拠なかったね、という…

そもそも、新型コロナの伝染経路が主に空気感染である以上、当たり前の話なのですが。

現在までに、(日本以外の)国のほとんどはマスクに関して既に正常化しました。

マスク使用率マップ


ニューヨークタイムズの記事
「マスクの義務化は無駄だった。教訓は得られるのか?」


「マスクの有効性に関する科学的研究の最も厳密かつ包括的な分析結果が発表された。マスクが役に立つというエビデンスは全くないのが明白だった。マスクが役に立つという研究は欠陥があった」
「マスクの義務化は失敗した。マスク着用義務化に反対したことで、変人扱いされ、時には「誤報者」として検閲を受けた懐疑論者たちは正しかった。マスクの義務化を支持した主流の専門家や評論家は間違っていた。専門家は誤りを認めるべきだ。」
「マスクの義務化は最初から愚策であり、誤った安全意識を生み出したが、安全性を殆ど向上させなかった。マスクに効果がないことは証明されたが、「何か効果がありそうなことをすればよい」というのは科学でも公共政策でもない。勇気を持って発言した人々は、侮蔑されるのではなく、耳を傾けるに値する」(訳は@You3_jpより

日本では、ようやく3月13日からマスクは個人の判断でということになりましたが、学校では4月1日を区切りにするとか、だけど卒業式は素顔で出られるようにするとか、でも歌うときはマスクするとか、保護者はつけるとか、なんか理屈もなにもよくわからないことになっています。結局、すっきりと「マスク有効性は言うほどありませんでした。新型コロナも怖い病気じゃなくなりました。安心して外してください」という説明(と、これまで押し付けたことによる責任)を避けてずるずるとフェードアウトを狙っているような感じです。

大人は既に、
飲食店でマスク外して飲食しておしゃべりを楽しむ(トイレと会計のときはマスク)
マスク外してスピーチする(周囲で黙っている人はマスク)

などのシーンを常々体験していて、素顔もそんなに違和感なく比較的スムーズに移行できるかもしれませんが、

「マスク外したらしゃべっちゃダメ」「命を守るために」さんざん脅された子どもたちが主体的な判断でマスクを外せるかといったらけっこう難しいかもしれません。

「これからもずっとマスクを外したくない」児童5000人調査でわかった子どもたちの切実な思い
子どもの体力低下、体重増加、不登校や自殺の増加などの弊害を生んだコロナ「対策」。
「最も重症化しづらく、最もマスクによる弊害が考えられる幼児・小学生が事実上、マスクを常時つけ、私たち大人が当たり前のように経験してきた貴重な経験を一部、一方的に奪われ続けてきたことは日本人が永遠に十字架として背負うべきものだ」(千葉県の熊谷俊人知事)
アンケート結果によれば、2~3割の子は「ずっとマスクを外したくない」といっている。
黙食の廃止が正常化へ向かう突破口となるか?

(参考) 黙食をやめても感染が増えていないことについて
千葉県
福岡県

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