昔(子どものころ)、私にとってピアノの楽譜といったらともかく「全音」がスタンダードで、家にある楽譜は圧倒的に全音だった。
←楽譜選び、どうしてる? いろいろ買ってたらきりがないし…
昭和の時代の、街のピアノの先生んちといったらそんなもんだったんじゃないかな。今の全音の表紙じゃなくて、こういうの
に、赤・黄・青の帯があるやつね。やさしい色合いに草みたいな模様(?)あれはあれで悪くない、馴染みやすく邪魔にならないデザインだった。
大人になって、ピアノを再開するときも、最初ポピュラーから入ったからそれはもちろん全音Onlyとかではなくて、そのとき弾きたいものが載ってる楽譜。会社はいろいろ。でも、ブルグミュラー18番から始まって、クラシック系にだんだんハマってきたときはまだ、買うとなったらまず全音で買ってた。メンデルスゾーンの無言歌とか…
それからしばらく経って、無謀な挑戦シリーズでショパンのバラード第三番をやっていたときに(注: 今でも弾けませんが)、先生がレッスン中になんどか首をかしげて、どうも楽譜の記述に納得がいかないらしい。先生の頭の中にあるのと食い違うけど、全音版が何を根拠にそう言ってるのかわからないというか。
「やっぱりちゃんとした楽譜を買ったほうがいいと思うんだけど…」
そこで初めて、全音版が先生の頭の中で「ちゃんとした」に分類されていないことを知る(笑)。衝撃の瞬間であった。
そのとき先生のお奨めは、パデレフスキ版。理由として、「どこに持っていっても恥ずかしくない」「比較的安価である」を挙げていたような気がする。
次のレッスンにパデレフスキ版を持っていったら、先生がことのほか機嫌がよくなり(^^;; なんかぜんぜん練習する時間がなくて中身がまったく進歩していなかったにもかかわらず、終始なごやかにレッスンが進んだことを覚えている。
それで、同じショパンのナントカを買うにも世の中にはいろんな楽譜があるということがわかったわけなんだけど。
実際、中身の何が違うか比べてみると、先日のミニレッスンではペダルの話題が出てたけど、ペダルだけではなくて、指使い、フレーズの切れ目、さらには「音」まで違っていたりすることもあるのがわかった。ミスプリというわけではなくても(中にはミスプリもあるかもしれないけど)、それがいいと思って誰かが変更したり付け加えたりしたということだよね。
あるいは、「オリジナル(作曲者の意図どおり)」がいいと思っても、その意図が明らかでなかったり…
たとえば、手書きで何バージョンかあるとか、どうもこれはうっかりらしいと推測される怪しい点があるとか。
あるとき、ポリーニの弾くショパン前奏曲を聞いていたら、20番のとき、三小節目のミのフラットがなくなってて、のけぞっちゃったのだが、手元にあった楽譜を見たらちゃんと、ミにフラットはあったけどごちゃごちゃ注釈がついてて、この音はナチュラルかもしれなくて、ミクリ版はナチュラルを採用してるとかなんとか。
ちなみにこのとき私が持っていたのはヘンレ版。あちこちのピアノサークルに出入りするようになったころから、なんとなくヘンレ版を買うことが多くなったのだが、その理由は「表紙がかっこいいから」。この渋い色がなんともいえなくて、会場の椅子とかにぽんと置いてあっても、なんだか初心者じゃないみた~い♪な雰囲気が漂うから。
というわけで、現在のところ、音楽として話がよくわかってるわけじゃないんだけど、表紙のデザインなどを勘案してなんとなく、パデレフスキ版を買ったりヘンレ版を買ったりなんかしている状態。文系の研究的センスでいえば、できるだけ一次資料に近くて根拠のはっきりしているものがいいってことになるけど、たぶんそんな感じなんだろうな、という漠然とした想像をしております。
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昭和の時代の、街のピアノの先生んちといったらそんなもんだったんじゃないかな。今の全音の表紙じゃなくて、こういうの
に、赤・黄・青の帯があるやつね。やさしい色合いに草みたいな模様(?)あれはあれで悪くない、馴染みやすく邪魔にならないデザインだった。
大人になって、ピアノを再開するときも、最初ポピュラーから入ったからそれはもちろん全音Onlyとかではなくて、そのとき弾きたいものが載ってる楽譜。会社はいろいろ。でも、ブルグミュラー18番から始まって、クラシック系にだんだんハマってきたときはまだ、買うとなったらまず全音で買ってた。メンデルスゾーンの無言歌とか…
それからしばらく経って、無謀な挑戦シリーズでショパンのバラード第三番をやっていたときに(注: 今でも弾けませんが)、先生がレッスン中になんどか首をかしげて、どうも楽譜の記述に納得がいかないらしい。先生の頭の中にあるのと食い違うけど、全音版が何を根拠にそう言ってるのかわからないというか。
「やっぱりちゃんとした楽譜を買ったほうがいいと思うんだけど…」
そこで初めて、全音版が先生の頭の中で「ちゃんとした」に分類されていないことを知る(笑)。衝撃の瞬間であった。
そのとき先生のお奨めは、パデレフスキ版。理由として、「どこに持っていっても恥ずかしくない」「比較的安価である」を挙げていたような気がする。
次のレッスンにパデレフスキ版を持っていったら、先生がことのほか機嫌がよくなり(^^;; なんかぜんぜん練習する時間がなくて中身がまったく進歩していなかったにもかかわらず、終始なごやかにレッスンが進んだことを覚えている。
それで、同じショパンのナントカを買うにも世の中にはいろんな楽譜があるということがわかったわけなんだけど。
実際、中身の何が違うか比べてみると、先日のミニレッスンではペダルの話題が出てたけど、ペダルだけではなくて、指使い、フレーズの切れ目、さらには「音」まで違っていたりすることもあるのがわかった。ミスプリというわけではなくても(中にはミスプリもあるかもしれないけど)、それがいいと思って誰かが変更したり付け加えたりしたということだよね。
あるいは、「オリジナル(作曲者の意図どおり)」がいいと思っても、その意図が明らかでなかったり…
たとえば、手書きで何バージョンかあるとか、どうもこれはうっかりらしいと推測される怪しい点があるとか。
あるとき、ポリーニの弾くショパン前奏曲を聞いていたら、20番のとき、三小節目のミのフラットがなくなってて、のけぞっちゃったのだが、手元にあった楽譜を見たらちゃんと、ミにフラットはあったけどごちゃごちゃ注釈がついてて、この音はナチュラルかもしれなくて、ミクリ版はナチュラルを採用してるとかなんとか。
ちなみにこのとき私が持っていたのはヘンレ版。あちこちのピアノサークルに出入りするようになったころから、なんとなくヘンレ版を買うことが多くなったのだが、その理由は「表紙がかっこいいから」。この渋い色がなんともいえなくて、会場の椅子とかにぽんと置いてあっても、なんだか初心者じゃないみた~い♪な雰囲気が漂うから。
というわけで、現在のところ、音楽として話がよくわかってるわけじゃないんだけど、表紙のデザインなどを勘案してなんとなく、パデレフスキ版を買ったりヘンレ版を買ったりなんかしている状態。文系の研究的センスでいえば、できるだけ一次資料に近くて根拠のはっきりしているものがいいってことになるけど、たぶんそんな感じなんだろうな、という漠然とした想像をしております。
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まぁ、そんなノリです。
楽譜いろいろ見てて感じるのは、校訂する人の才能の差が如実に出てしまう、ということ。
わたしが全音その他のショルツ版をベースにした版を嫌うのは、ショパンの意図が見えにくいという大きな問題以上にショルツという人の美的センスがよろしくないという理由です。なのでもっと「やっちゃった」版であるクリントヴォルト版は面白いと思う。でもショパンの指示通りに弾いた方がより美的に「良い」のですわ。
そういう意味で、今標準的に使われているパデレフスキ版とかエキエル版とかもそのうち批判にさらされることになるのでしょう。パデレフスキ版はエステティックに定評があるけど別にパデレフスキが校訂やってるってわけでもないし、エキエルについては(原典調査として非常に面白いことをやってると思いますが)本人の演奏に定評があるわけでなく、またその表記にもクセが強いなぁと思ったりもするのです。
ところでショパンに関する限りヘンレはあんまし評判よろしくなくて、わたしもうーんこれは... と思うところもいっぱい。まぁ、そんなもんです。
妹のピアノがかなり上達して、大阪の音大の先生のレッスンを受けるようになったとき、○○版の楽譜、と曲ごとに指示されるので、同じ曲でもいろんな楽譜があることが分かりましたが、当時はネット通販もないし、鹿児島ではなかなか買えないので、入手するのに苦労していました。
全音はどんな田舎でも買えるのが最大のメリットかもしれません。
校訂する人の才能、美的センスというともうミもフタもないというか。
なんにせよどんなに渾身の研究成果に基づいて本気の楽譜を出版しても、ツッコミどころがないというわけにはいかないのでしょうね。使うほうとしては、いくつも見て参考にしていくくらいの方法しか…
でも、おおむねよさげな○○版、やっちゃいすぎておもしろい○○版、表記が見やすい○○版なんて集めてったひにゃー、きりがないですね。
今は、宅配便さえ届くとこならどこでも「ぴっ」ですね。こんどはつい買いすぎてしまいますが(-_-;;
ええもう。だから大変なことになってるわけです(爆)
あ、やはり。。