弦の張られていない古い月琴を格安で購入したので新しい弦を張って演奏したら、眼前に仙女を思わせる美しい女性が現れ、曲に合わせた舞を披露してくれた。
何でも月の呪いによってこの月琴に封じられているらしく、どうか満月を狭んだ十日間だけは月琴を弾かないでくれと言う。が、ある日うっかり満月の晩に弾いたら、それこそ満月のような丸々とした輪郭になって現れた。視線に気付いて慌てたように袂に押し込むのは、沢山の丸く平べったい焼き菓子……。
どうやら彼女に掛けられているのは、月は月でも月餅の呪いらしい。
何でも月の呪いによってこの月琴に封じられているらしく、どうか満月を狭んだ十日間だけは月琴を弾かないでくれと言う。が、ある日うっかり満月の晩に弾いたら、それこそ満月のような丸々とした輪郭になって現れた。視線に気付いて慌てたように袂に押し込むのは、沢山の丸く平べったい焼き菓子……。
どうやら彼女に掛けられているのは、月は月でも月餅の呪いらしい。