たまに平仮名に良く似た、しかし平仮名とは明らかに違う妙な記号を書き留める友人に、それは何かと訊ねると、活字を目で追っていると浮かび上がってくるのだと答えが返ってきた。何でも子供の頃から長い間観察してきて、最近になって明らかな文字としての法則性に気付いたのでので、いずれは解読するつもりなのだと。
しかし、ある日の真夜中にいきなり「とうとう読めた!とにかく行って来る!」とだけ連絡を残した奴は、そのまま行方不明になって未だに戻らない。
仮に二度と戻ってこれないとしても、奴の解読した記号を文字とする世界で元気でやっていれば良いのだが、と時々思う。
しかし、ある日の真夜中にいきなり「とうとう読めた!とにかく行って来る!」とだけ連絡を残した奴は、そのまま行方不明になって未だに戻らない。
仮に二度と戻ってこれないとしても、奴の解読した記号を文字とする世界で元気でやっていれば良いのだが、と時々思う。