その日、朝のラジオ体操帰りにふと私が目を止めたのは、剣山のように細い尖った葉を無数に並べた立ち木だった。
銀色の切っ先には朝露が一つずつ玉を結びながら、太陽の光を受けて虹のように輝いていて、一瞬ごとに色彩を変えていく。しかし、思わず息を呑む程の、どんな宝石よりも美しいその輝きは、決して地上に留め置く事が出来ないのだ。
幼かった私にも判る残酷な現実を前に、とても哀しくなった夏休みの思い出。
銀色の切っ先には朝露が一つずつ玉を結びながら、太陽の光を受けて虹のように輝いていて、一瞬ごとに色彩を変えていく。しかし、思わず息を呑む程の、どんな宝石よりも美しいその輝きは、決して地上に留め置く事が出来ないのだ。
幼かった私にも判る残酷な現実を前に、とても哀しくなった夏休みの思い出。