カケラノコトバ

たかあきによる創作文置き場です

「黒色」「告白」「壊れた遊び」ジャンル「大衆小説」より・救済の火焔

2014-12-04 18:33:48 | 三題噺
 奴の趣味は自分に告白してきた相手を騙して弄ぶというドス黒いものだが、あんな屑の外面に騙される相手に同情は出来ない。大体が散々周囲に止められても聞く耳を持たなかった結果なので尚更だ。

 だから、姉貴が奴の告白を受け入れたときは激烈なまでに反対した。が、全てを知った上で、それでも「あの人を信じて、救ってあげたい」と静かに微笑んだ姉は俺の忠告を受け入れず、結果として他の女達のように弄ばれ、捨てられた。
 それからすぐに焼身自殺を図った姉は身籠もっていたが、奴は自分の子ではないと頑なに言い張るばかりだった。

だから、俺は奴に灯油をかけて火を付けた。死にはしなかったが酷い火傷の痕を顔に焼き付けた奴に騙される女も、もうこれでいなくなるだろう。
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