地球を離れ、新しい惑星の土地に降り立った人々は、競うように故郷から運んできた種を撒いた。幾つかの種類は気候が合わずに枯れてしまったが、中には地球で育てるより明らかに生育が良い物もあり、林檎もその一つだった。最初に植えられた林檎はこの地に初めて建てられた小学校の記念樹となり、やがて生徒と先生の全員に配ってもまだ有り余る程の実を実らせるようになった。
そして現在、
誰一人として訪れることのない廃墟と化した地で、巨大な林檎樹は今年も沢山の実を付ける。
そして現在、
誰一人として訪れることのない廃墟と化した地で、巨大な林檎樹は今年も沢山の実を付ける。