毎夜のように庭の井戸の底から這い上がって来る、長髪で顔を隠した白服の女があまりに鬱陶しいので井戸の縁に手をかけて身を乗り出してきた辺りを狙って雪玉をぶつけてやったら、バランスを崩して再び井戸の底に落ちていった。これで静かになると思いきや、今度は時間差を付けて老若男女器物妖怪取り混ぜた様々な格好で現れるようになった。
気が向いたときにアレの相手をしてやってくれ、ただしあまり近付きすぎないように。
そんな遺言と共にこの古屋敷を俺に譲ってくれた爺様は、一体「何」をあの井戸に棲まわせてしまったのだろうか。
気が向いたときにアレの相手をしてやってくれ、ただしあまり近付きすぎないように。
そんな遺言と共にこの古屋敷を俺に譲ってくれた爺様は、一体「何」をあの井戸に棲まわせてしまったのだろうか。