事故に遭って以来妙なものが頻繁に見えるようになった。おそらくは妖精とか妖怪とか、そういった形をした連中はどうやら人間が生きる世界とは重なりながらも決して混ざり合うことのない空間に属しているらしく大概は「こちら側」に気付いていないか、もしくは興味を示しもしない。
だがある日、ふと見上げた空に浮かんでいた翼を持つ少女が「貴方はどうして翼がないの?」と訪ねてきたとき、僕は自分の肉体が既に連中と同じ存在と化した事を知らぬまま、この世界で普通に暮らしていたことに気付いた。
だがある日、ふと見上げた空に浮かんでいた翼を持つ少女が「貴方はどうして翼がないの?」と訪ねてきたとき、僕は自分の肉体が既に連中と同じ存在と化した事を知らぬまま、この世界で普通に暮らしていたことに気付いた。