病弱な画家とバスケに恋をした少年、二人にとって幸せな結末の話
己に無い物を他者に求めるのは世の常だが、学生時代は体育の授業を見学ばかりしていた僕はアトリエの窓から見えるゴールポストで絶えずバスケの練習をしている少年の姿に魅せられ、彼のすんなりと伸びた手足やバネが撥ねるような跳躍をスケッチし続けた。ある日、少年が故障で試合を断念して塞ぎ込んでいると知った僕は伝手を辿って彼に会い、僕には君がこう見えるんだと言って絵を渡した。
己に無い物を他者に求めるのは世の常だが、学生時代は体育の授業を見学ばかりしていた僕はアトリエの窓から見えるゴールポストで絶えずバスケの練習をしている少年の姿に魅せられ、彼のすんなりと伸びた手足やバネが撥ねるような跳躍をスケッチし続けた。ある日、少年が故障で試合を断念して塞ぎ込んでいると知った僕は伝手を辿って彼に会い、僕には君がこう見えるんだと言って絵を渡した。