カケラノコトバ

たかあきによる創作文置き場です

三十六冊目・『朱き孤独の悔恨』

2018-04-28 16:17:49 | サスペンスはお好きですか?
たかあきは『朱き孤独の悔恨』事件を解説してください。

 狙撃手だった私は、今まで数え切れない人間の命を撃ち抜いてきた。ライフルのスコープ越しに見える私の標的となった人間は、一人の例外もなく自分の身に何が起こったのか認識することもないまま、頭か心臓のどちらか、或いは両方から血潮を吹き出して斃れたまま二度と立ち上がらなかった。だから今、私はスコープ越しに自分を撃ち抜こうとしている相手のいる方角を見詰めながら一言、「撃て」と呟く。
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パン屋にて

2018-04-28 13:38:43 | 憧れのお店屋さん
 本屋を出ると、道路を挟んだ斜め向かい側から非常に食欲をそそる匂いが漂ってきたので近付いてみる。
 そこにはお洒落なベーカリーショップがあった。

 よく手入れされた小さな花壇と鉢植えが並ぶ店先から中を覗くと、窓際には飾りらしい巨大なオニオンブレッドやバゲットが置かれていてちょっと驚く。中に入ると壁の棚にはカゴや引き出し型容器に山ほど乗せられた様々な種類のパンと遭遇した。イギリス風食パンは塊のままでも買えるが、袋に入った切り売りも並んでいる。他にもレーズンパン、コロネ、クロワッサン、ホッドドッグヤ小さなパイなど沢山並んでいる商品でも人気なのは、エッグタルトとあんパン、それに数量限定のサンドイッチらしい。
 試食も出来るというので、取りあえずバゲット一切れにジャムを塗って頂いたら、コレが驚くほどに美味だった。旅先ということもあってエッグタルトは断念して、あんパンと杏のジャムを一瓶購入する。

 会計をしてくれた女性店員に「この店のパンは星の光で焼いているという噂があるのですが」と尋ねると、女性は意味ありげに微笑みながら「企業秘密なんですよ」としか答えてくれなかった。
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