カケラノコトバ

たかあきによる創作文置き場です

骨董品に関する物語・薔薇の精油の香水瓶

2019-06-23 16:46:13 | 突発お題

 もう香りは残っていないよと見せてくれた古い香水分の蓋を戯れに開けてから鼻を近づけた直後、頭蓋を揺すぶられたような衝撃と共に視界一杯が見知らぬ薔薇の花園で覆われ、一瞬にして消え失せた。とうに香りが失せた香水瓶から私は何を嗅ぎ取り、何故薔薇園を幻視したのか。
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