2016年 初冬に書いた「初冬ブルーの空と川」再掲です
最高気温17、7度。
「突きぬける青空と透きとおる水。冬の四万十川を深く感じたければ、
カヌーで下るのがベストさ。風と水はきっぱりと冷たいけれどね」
初冬ブルーの空の下、小春日和の四万十川をカヤックで下りました。
12月3日。スタート地点の朝の空は、霧に白く閉ざされていました。
キリッと冷えた師走の空気。(カヤック乗艇時に)足に触れる水が、ピリッと肌を刺す。
冬の水の上に滑りだした僕らは、まずはとろ場を上へ下へ漕いでカラダを慣らし温めました。
今日の最低気温は、3、7度。川面の水温は、12度。
四万十川の水量は、やや少なめ(平水時より)。
*とろ場:水の流れがゆるやかなところ
少し漕いだあと僕は、
「ちょっと短めのウォーミングアップですが、そろそろ下りましょう。距離も長いし。もうすぐ霧も晴れますよ」
と、隣を漕いでいるゲストのOさんに声をかけました。小さくうなずいたOさん。
*今夏のツアーにも参加しているOさん。その時は曇り空、川の透明度もよくなかった。
今日の空は晴れる、ということは(天気予報はもちろん)、
バスでゴール地点からスタート地点に移動した僕にはわかっていました。
ゴール地点の空はもう霧が晴れてきて、朝の空は下流から少しずつ明るくなってきていたから。
下りはじめた初冬の川は、透明度が高く4メーターほどの川底が見えます。
冷たくなった水の中に見えるのは、鯉ばかり、
その他の魚たちは、大きな岩の下や淵に集まってじっとしているのでしょう。
カヤックは初冬のひやい水の瀬に突入。*ひやい:冷たい
ザブンザブン!デッキをスカートをあらう水「うひゃひゃ、水つめてー!でも気持ちE!!」。
心地よいスリル。瀬を下りながらオジサンたちは、童心に帰ってゆきました。
3キロほど下ったところで、空が晴れてきて陽が川を照らしはじめました。
すると、それまでの暗くヒンヤリとした川の表情は一変、明るくあたたかな川に。
ポカポカ陽ざしに包まれた僕らは「ははーっ、太陽さんはエライ!」と太陽の偉大さに頭をたれる。
(ついこの間までは暑すぎる太陽にブウブウ言ってたのに・・・ゲンキンなものですね)
あたたかい季節よりも青さを増した初冬ブルーの空と川。
色づいた岸べの落葉樹の葉は今が見ごろ。その中でもエノキの黄葉がひときわ目に鮮やかです。
風がない水面は鏡のよう。カヤックは、水面の空、山、照葉をさいて下ってゆきます。
岩間沈下橋でランチタイム。
風がない昼どきの川原は陽ざしがポカポカ、薄着になってゆったりとくつろぎました。
今日の最高気温17、7度。
太陽とビーフシチュー(サービスさ)にぬくもる。
午後のコースは(午前のコースに比べ)瀬が少なく、長いとろ場が増えます。
長いとろ場で、強い北よりの風(冬によく吹く)に吹かれると操船がやっかいだけど、
今日の川は午後も風が吹かず、のっぺりとした水面で僕らを遊ばせてくれました。サンキュー。
おしゃべりをしながら僕らは、小春日和の川をのんびりと下って口屋内沈下橋でゴール(漕行15キロ)。
そして、ダンディなOさんは、沈下橋の上でうまそうにパイプをくゆらせました。
(風がないので外でも吸えるとのこと、今日はパイプにもよい日だったんですね)
初冬ブルーの空の下、パイプの煙(香り)と無垢な笑顔も心に残るワン&オンリーなツアーでした。
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