あるBOX(改)

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内山vsイスラエル・ペレスを振り返る

2015年01月04日 | ボクシング
2014年12月31日
東京・大田区総合体育館
 
◆WBA世界スーパーフェザー級タイトルマッチ

王者・内山高志 9回終了TKO イスラエル・ペレス

35才の王者・内山が同じ年のアルゼンチン人を棄権に追い込み
9度目の防衛に成功。

初回からジャブを中心としたボクシングで優位に立った王者は
ときおり仕掛けてくるペレスの左連打をカバリングでしのぎ、
右ストレートと左レバーでダメージを植えつけた。

くっついてもボディブローと右アッパーがあるから、相手は
安心できる距離がない。

ガードを硬く上げてても、ど真ん中を突いてくる王者の右は
正確で、途中まで歯を食いしばって攻めて来ていた挑戦者にも
焦燥の色がありあり・・・。

第9Rもワンツー連打で追い詰め、時に右の3連打で内外を
叩いた内山。意外性あるパンチも見事だ。

ペレスは膝が折れ掛かるシーンもあったが、何とかダウンを
こらえて9回終了ゴングを聞いたが、
ペレスは次のラウンド出て来れなかった。

内山は「相手のダメージが見えていたので次のラウンドに
行こうと陣営で話していたところだった」と振り返ったというが
やはりインパクトを残すためにもダウンシーンは欲しかったなぁ。

内山はこれで戦績を22勝(18KO)1分と伸ばし、拳の
状態も問題ないとして新年さっそく始動したとか。



統一戦や海外進出など希望を持ちたいトコロだが、
テレ東さんやワタナベ会長には余り期待できないんだよなぁ。

昨年は50周年だったテレ東なれど、特番では「入社して
思ったが、ビックリする程お金がなかった」とアナが自虐の
ネタにするほどだったし
渡辺会長も相変わらず国内興行で防衛ロードを伸ばすお積りらしい。

もう、トリニダードを見習って黙々と防衛しながら実力を
磨くしかないですな。
そうしながら、対戦相手の質を上げていく・・・と。

※トリニダードはオリンピアンで期待の掛かったデヴィッド・
 リードのJミドルに2冠を狙って挑んだのは上手かったよねぇ。
 リードは瞼の腫れ癖もあって付け入る隙あったしねぇ。

内山チャンプにも、そういうマッチメイクをお願いしたいですけどねぇ・・・。

天笠はリゴンドーに健闘!

2015年01月04日 | ボクシング
2015年12月31日 大阪市・ボディメーカーコロシアム

◆WBA・WBO世界スーパーバンタム級タイトルマッチ12回戦
王者ギレルモ・リゴンドー(キューバ)11回終了TKO 天笠 尚(山上)

WBA10位・WBO6位の天笠が挑む一戦は「無謀」とも言われたが
いやいや天笠は王者から2度のダウンを奪う健闘を見せてくれた。

そもそも「世界への」挑戦資格に関してはOPBF王者の天笠はクリアしていると
いってイイでしょう。

ただ、相手がドネアを降し全階級屈指の技巧派と言われるリゴンドーだから
「無謀」と言われただけなんですよね。

予想外だったのはリゴンドーが終始紳士的だった事。
もっと傲慢な試合運びしてくるかと思ったけど、相手を小馬鹿にするような
仕草するワケでなし、変な反則仕掛けてくるワケでなし、立派な王者の
態度でしたよ。
※試合前の自信家ぶり・・・は当然と言えは当然だし。

天笠は大きな身体を使ったボクシング。リゴンドーも、じっくり構えてくるので
序盤は大きなアクション無し。

実寸では小柄だったリゴンドーに対し、リーチを活かして戦う・・・なんて
話もあったが、「いやいや相手は数値差なんて無関係でしょう。踏み込みと
技巧でクリアされちゃいますよ」・・・なんて試合前には思ったが
リゴンドーの回りこみや、そこからの巧打でポイントは奪われていく。

ロープに詰められて左連打からの狙い撃ちでガクンとくる挑戦者、懸命の
踏ん張りで追撃を拒否。

そこから距離を詰めて強打を狙うシーンを増やす天笠。
リゴンドーにヒラリヒラリと躱されても追う姿勢は大事だ。
ローダックする王者をアッパーから

そして第7R
回り込むリゴンドを体ごと追いながらスコンと放った右ストレートが
リゴンドーのアゴを捉え、王者は尻もち!

立ち上がったリゴンドーがクリンチに来る間隙を突いて右フックを打ち込むと
ガクガクになる王者!そのままフックを首に巻かれた形で倒れたが、
レフェリーはダウンを宣告!

スリップを主張するリゴンドーだったが、最初のダウンより効いている!
試合再開と同時にラウンド終了ゴングが鳴った。

天笠が思わずコーナーポストに駆け登り、時間をロスした最初のダウンも
惜しかったが次のラウンドで狙いすぎたか、手数が足りなかったのも
勿体無かった!

解説の内藤大介氏も「見るな!行け!」だったが、なかなか出れない天笠。

※こういう時は具志堅さんも「行け!」と言うタイプなんだけど
いずれもチャンスでの“嗅覚”が鋭い選手でしたよね。倒すコツを知ってる
ボクサーは好機で必ず攻めるんですよ。

慎重に守りながらダメージングブローの被弾を避けたリゴンドーは、徐々に
反撃開始。タッチボクシングからパンチに力を込め始めた。

10回からは王者エンジン全開。
ド真ん中から左ストレートを打ち込んでくる。
そのパンチをマトモに食らって天笠ダウン!!

第11Rにはワイルドなフックも被弾。パンチを返そうとしても身体が流れ始める
苦しい展開。
左顔面が大きく腫れ、ただ事では無い様子。

陣営も、その当たりを考慮してか、12R開始ゴングの前に棄権を申し出た。
山上会長は「最後は足にきて、パンチに切れがなかった。棄権は仕方がない」
「でも本人は試合を“やめる”と言わなかった。本当に根性がある」と
目を真っ赤にして愛弟子を称えたとの事。

いったん控室に戻ったものの「左頬骨折の疑い」で病院へ向かった天笠だったが
これは診断の結果骨などに異状なしとのこと。
※良かった良かった・・・

周囲の反対を押し切って挑んだリゴンドー戦。
「彼のようなビッグネームと戦うチャンスを手に入れるのは世界王者に
なるより難しい。こんな光栄なことはない」と挑戦を決意し、
「99%勝てないと思っているけれど1%にかけたい」と懸命な戦いを見せた。
奇跡を起こせなかったが、ファンの感動は大きかった。

リゴンドーも、天笠の根性を絶賛。「ぜひ次は世界王者になってほしい」と
コメント。どこまでも清々しい一戦だった。
※まぁ、再戦あったら、もっと差を付けられそうですけどね・・・

TBSも試合前のセレモニーから放送してくれるサービスぶりで
キューバの国歌なんて滅多に聞けるもんじゃないから、感激しましたよ!