1969年に発表されたキング・クリムゾンのファースト・アルバム、
「In The Court Of The Crimson King」。
プログレッシブ・ロックその物とも言える記念碑的な作品で、
その後のロックにも多大な影響を与えた1枚なのだが。
その衝撃は1曲目の「21世紀の精神異常者」のオープニングから
して強烈だ。
竪穴を降りていくようなSE・・・、
その音が止んだと同時に鳴り響くギターとサックスのユニゾン、
エフェクトとディストーション掛かりまくったヴォーカルとドラム、
弾力豊かなベース・・・。
ハードロックにしてジャズロックでもある強烈な楽曲。
中盤でギター・、サックス、ドラム、ベースが同じフレーズを
テクニカルに弾きまくるユニゾン・パートもあり。これも白眉。
オリジナル・テーマに戻って、最後は最高域を競い合うかのような
ノイズを発して楽曲はエンディングを迎える。
それと同時に始まる「風に語りて」は一転してフルートが
美しく響き、前の曲と「動と静」の対比を描く。
美しくも勇壮な「エピタフ」、幽玄たる「ムーンチャイルド」、
そして最後を飾る「クリムゾンキングの宮殿」
凄いアルバムです。素晴らしい楽曲です。構成です。
最高のアンサンブルです。
ただし、ギターのロバート・フリップは不満があったと言います。
グレグ・レイクのベースが暴力的すぎる・・・と。
昔馴染みのピーター・ジャイルズにベースを交代させてグレグは
ヴォーカルに専念させたかった・・・とか、
そういう話も残っています。
まぁ、「21世紀の…」のベースは弾け捲ってるもんな。
静かな曲でも主張してるといえば主張してるし、その辺が
お気に召さなかったのかしら。
そんなコト言ったら、最近の我がマイブーム=寺川正興さんの
ベースなんて
フリップさんには、まるでOUTじゃないですか。
なんて思ったトコロで、ふと考える。
意外とROCK系で寺川型のプレイって思い当たらないんだよね。
J・ベック・グループ時代のロン・ウッドなどのマシンガン型が
多いというか・・・。
※勿論こちらも滅茶苦茶カッコイイんですけどね
「The Yes Album」の「ユアズ・イズ・ノー・ディスグレイス」で
クリス・スクワイアがウネるように高低域を走らせるプレイが
似てる気もする。
そして
グレグさんが「21世紀の精神異常者」で弾いたベース・ラインも
結構ウネっております。
やっぱ、ジャズからの影響があるか無いか・・・なんでしょうな。
そして。
こんな事ばっか言ってるからプログレファンはモテないんでしょうな。