あるBOX(改)

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PYG「Free With PYG (PYG LIVE ALBUM IN COLOSSEUM)」を聴く

2018年05月04日 | CD紹介(邦楽)
井上堯之(孝之)さん追悼・・・でPYGを聴く。

PYGとは、スパイダースから井上孝之(Lg)、大野克夫(Org)、
タイガースから沢田研二(Vo)、岸辺修三(B)、
テンプターズから萩原健一(Vo)、大口広司(Dr)が参加した所謂
スーパーグループ。

GSからニューロックに脱却するため作られたバンドと言われた
という。



1971年8月16日に行われた、PYGの田園コロシアムライブ。

2枚組だが、構成がヤバイです。
洋楽カバーが半分以上だが、パープル、ZEP、ストーンズ、
スライ、マウンテンなど強力曲ばかり。

さらにはフリー、トラフィックまで演っててビックリですよ!
※しかもFREEは1STアルバムから選曲!

それを、20代前半のショーケンとジュリーが歌うんですから。
もう、エグイですよ。
ギランのハイトーンなんてムリでしょ。歌もカタカナ英語だし。



ディスク:1
1. ブラック・ナイト (Deep Purple)
2. ウォーキング・マイ・シャドー (Free)
3. エヴリ・マザーズ・サン (Traffic)
4. カントリー・コンフォート (Elton John)
5. ヴィッチ (The Rolling Stones)
6. スピード・キング(Deep Purple)
7. カウボーイ (Harry Nilsson)
8. ラヴ・イン・ベイン (The Rolling Stones)
9. ツゥ・ラヴ・サムバディ (Bee Gees)
10. トラベリン・イン・ザ・ダーク (Mountain)

ディスク:2
1. 淋しさをわかりかけた時
2. 戻れない道
3. 何もない部屋
4. 悪魔(シンバシー・フォー・デビル/The Rolling Stones)
5. アイ・プット・ア・スペル・オン・ユー(CCR)
6. 自由に歩いて愛して
7. ハイヤー (Sly & The Family Stone)
8. ゴナ・リーヴ・ユー (Led Zeppelin)
9. 祈る



ギターやキーボード、ベースは安定しています。
井上さんのハードな弾きっぷりも素晴らしいです。

歓声も「キャー、キャー」入っている。人気凄かったんですね。
※アイドル的なモノもあっただろうけど。
 だから「本格ロックも出来るんだぜ」とカバーしたのかな?

オリジナル曲のメロディアスさ、安定のジュリー節を聴くに、
やっぱ自分のキーで歌うのって大事だなと思いました。

むしろ、カバーの破壊力ではショーケンに軍配上げたいな。
意外と言っちゃ失礼だが、自分の歌い方に寄せてシャウトし、
時にデタラメにガナる歌唱はロックしてますよ!

ただし、プラントが中低域で歌ってる「ゴナ・リーヴ・ユー」
でのジュリーの歌唱は安定感あって良い。



日本語ロック論争なんてあった時代
フラワートラベリン・バンドはジョー山中というバイリンガル・
ヴォーカリストを擁し、当初こそ洋楽ロックのカバーでスタート
したが、東洋音階を活かした楽曲に英語歌詞を乗せる手法で高い
評価を得た(主に海外で)。

PYGは、作詞に安井かずみ、作曲に大野克夫というコンビで
歌モノも守備範囲に入れて多様な方向性を示した。

残念ながらヴォーカリスト2名が相次いで役者転向/ソロ歌手と
なり、バンドの終焉を迎えたPYGだったが、井上堯之さん達
メンバーは日本の歌謡界に洋楽ロックのテイストを盛り込んだ
重要人物となった。

※「時の過ぎ行くままに」のミック・テイラーばりの流麗な
 ギターはどうだ!?



「Free With PYG (PYG LIVE ALBUM IN COLOSSEUM)」には、その
縮図が見える。
そしてメンバーの荒々しさ、若さが眩しい。

あらためて井上堯之さんの功績に思いを馳せ、感謝が深まった。
時にギンギンに、時に渋くギターを奏でる井上さんは実に格好
良かったです。

本当に有難うございました。

井上堯之さん死去

2018年05月04日 | 邦楽
1960年代にグループサウンズ「ザ・スパイダース」で活躍し、
その後も沢田研二のバンドを率いたギタリスト井上堯之さんが
5月2日に死去されていたとの事。

享年77。死因は明らかにされていない。

井上堯之バンドとしては、TVドラマの「太陽にほえろ!」や
「傷だらけの天使」のテーマ曲の演奏も行ない日本の劇伴史に
実績を残した。



井上さんは95年に初期の胃がんを手術。09年には肺気腫と
診断され、「今後の活動が困難になる」との理由でステージの
引退を表明。

それでも、病と闘いながらアコースティック中心のソロライブ
など音楽活動を行っていた。

スパイダースではリードギタリストとして海外公演も実現。

71年に解散した後は沢田研二、萩原健一のツインボーカルによる
ロックバンド「PYG」を結成したが、ジュリーのソロデビュー後、
インストゥルメント中心の「井上堯之バンド」になった。

「時の過ぎゆくままに」「勝手にしやがれ」などでヒット曲を歌う
沢田研二を支え、当時のTV音楽番組で強烈な印象を残した。

ただし、井上尭之バンドはジュリーと対等だったと私は思っている。
歌謡曲というか、グラム。

そして「カサブランカ・ダンディ」「憎みきれないろくでなし」は
リフが印象的なHR!

デヴィッド・ボウイとミック・ロンソン。
ザ・ベストテンはトップ・オブ・ザ・ポップス。

ロックは敗れず、芸能界に取り込まれたと思わせつつ内側から食い
破ったのだ!

作曲者としては。近藤真彦の「愚か者」が87年の日本レコード
大賞を受賞した井上さん。



これは最晩年の「宇崎竜童+井上堯之」バンドでも披露された。
セシオン杉並で公演を観たが、もうギンギンに弾くことはせず、
ブルージーなギターを奏でておられた。

ご健在なうちに生のステージに触れることが出来て、幸せでした。

我が初めてのギターヒーロー井上堯之さん。
御冥福を心よりお祈り申し上げます。