まるみのあっちこっち巡り

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映画 ペーパーバード 幸せは翼にのって

2011-09-01 00:08:36 | 映画(劇場鑑賞)
スペイン内戦後のフランコ独裁政権下、
20世紀のスペインが迎えた悲しみの時代のこと、
思想統制や言語統制なども厳しく行われ
多くの芸術家が国外へと脱出した激動の時代が舞台です。

ピカソが右派による空襲への怒りを込めて
名画「ゲルニカ」を描き、ヘミングウェイと
カミュが国際旅団の兵士として戦闘に参加し、
ロバート・キャパがピューリッツァー賞を受賞した
「崩れ落ちる兵士」を撮影し、20世紀のスペインを代表する
詩人ロルカが右派党員によって銃殺される。
これらは全てスペイン内戦によって起こったこと。

(映画チラシより)

このように並べると一つ一つの
点でしかなかった知識がつながります。
ピカソの「ゲルニカ」もヘミングウェイの小説も
思い出しますし、キャパの写真も蘇ってきます。

社会派映画の要素もサスペンス映画の要素もあり、
誰かとともに生きることの温もりを感じ、
幸せな気分を味わい、涙を流しながらも
笑顔をもたらしてくれる映画です。

妻子を亡くした喜劇役者ホルへと両親を亡くしたミゲル。
自分で台本を考え演じるホルへには、
生きにくい時代でした。
傷ついた心を持つ二人が紡ぐ、絆の物語。

最初から最後まで目が話せない映画でしたが、
ラストシーンは、忘れ難いものとなりそうです。
時代に翻弄されながらも生き抜こうとする人々の姿から
学べるものがきっとあると思います。

監督・脚本・音楽:エミリオ・アラゴン
出演:イマノル・アイリス、ルイス・オマール、
ロジュール・プリンセブ
2010年/スペイン

銀座テアトルシネマ

2011.8.30
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