まるみのあっちこっち巡り

ー32,000枚を超える写真とともに綴るお出かけブログー

文化学園服飾博物館 きものの文様展 文様を「読む」楽しみ

2013-03-08 00:40:42 | ミュージアム
日本のきものには、世界に類を見ないほど
多種多様な文様が表されています。

自然と共生する日本人の暮らしぶりは、
文様表現にも色濃く反映され、身近な植物や動物、
四季の移ろいや風景にいたるまでを
文様としてきものに取り込んでいます。

そして、それらを豊かな感性によって抽象化し、
デザインとして昇華させています。

数週間、数日のみに通用する文様を配し、
次々に移ろう季節を楽しんでいたのでしょう。
季節感と着物の文様が調和し、心を砕いていました。

着物1枚に帯3本というように、
帯は装いに変化をもたらしてくれます。
初夏に青楓に時鳥、晩夏の頃にトンボ、
立秋を過ぎた頃には籠に秋の七草を表した帯。
一年のほんの一瞬を楽しむ贅沢。

目から涼を得るために夏の着物に
雪景色の文様までありました。
風景を文様として表現することは、
世界に例をみないことではないでしょうか。

婚礼や通過儀礼の際に着る着物には、
めでたさや喜びを表現し、
成長や幸せへの祈りや願いを込めています。

戦時中のこどもの着物の軍艦には驚きもしましたが、
時代背景も文様から伺い知ることができます。

さらには古典文学などをもとにした
謎解きのような文様、洒落をきかせた粋な文様など、
文様を「読む」ことも楽しんでいたようです。

「源氏物語」「万葉集」などの古典を知っていれば、
その着物を上手に褒めることができるというものです。

手ぬぐいなどの文様にも謎解きのような文様があります。
博物館で解いてみませんか?

季節感だけでなく、教養も試されるような
きものの文様は奥が深いようです。
着物姿の女性を見かける機会が増えてきましたが、
文様を読み解いてみることにしましょうか。

文化学園服飾博物館
東京都渋谷区代々木3-22-7

2013.2.21
コメント