日本有数の高層ビル街である新宿一帯の守り神、
新宿総鎮守として知られているのが、
新宿十二社 熊野神社。
中野坂上から西新宿一帯の開拓や馬の売買などで
財を成し、中野長者と呼ばれた室町時代の
紀州出身の商人・鈴木九郎氏が、
応永年間に創建されたと伝えられる神社です。
この辺りを自転車で走り回っていた時期もあったのに
参拝をするのは初めてのことです。

鈴木九郎氏は当初自身のふるさと
熊野三山の若一王子を祀り、
商売が成功し家運が上昇したので、
後に熊野三山から十二所権現を全て祀るように。
かつて存在した付近の地名「十二社」(じゅうにそう)は
これに因み、現在も十二社通りなどの名などが残っています。
いつか利用したいと思っていた「新宿十二社温泉」は、
既に営業を終了してしまっているのが残念です。

こちらでも茅の輪をくぐって、半年分の穢れを落とし、
後の半年の健康と厄除けを祈願します。

新宿中央公園の一角にあるともいえる熊野神社ですが、
その近くにビオトープがあり、立ち寄りました。
江戸時代には付近は江戸近郊の景勝地として知られ、
熊野十二所権現社と呼ばれ、付近には茶屋や料亭などが立ち並び、
やがて花街として戦前まで賑わったというこの辺りは、
広重「名所江戸百景」にも描かれています。
やがて、淀橋浄水場ができ、その跡地に新宿中央公園ができ、
その歴史をご祭神の櫛御気野大神・伊邪那美大神は、
篤とご存知のことでしょう。
東京都新宿区西新宿2ー11ー2
2020.6.27