JR渋谷駅の東口を出て国道246号に架かる
大きな歩道橋を渡り、渋谷警察署の奥に位置するところに
かつて「渋谷城」のあった場所があります。
金王八幡宮を中心とする一帯には、渋谷一族による城郭や
居館が建ち並び、渋谷警察署の辺りはお堀だったとか。
江戸時代には徳川将軍家の信仰を得て、
家光将軍決定の御礼として乳母である春日局と
守役青山忠俊によって造営されました。
権現造りで江戸初期の様式を現在にとどめ、
都内でも貴重な建築の一つに数えられています。
1092年、現在の渋谷の地に渋谷城を築き、
渋谷氏の祖となった河崎基家(渋谷重家)により
創建されたといわれる金王八幡宮の御祭神は、応神天皇。
社名にある「金王」は、重家の嫡男常光がこの神社に
祈願して金剛夜叉明王の化身として生まれたことにより
金王丸と称したことによるとされるます。
金王丸の名は「平治物語」、近松戯曲などにも登場し、
また土佐坊昌俊として「源平盛衰記」、「吾妻鏡」、
「平家物語」などにみえ、その武勇のほどが偲ばれます。
この砦の石はパワースポットとして注目されるているとか。
平安時代末期の武家勃興のころは、渋谷氏を中心とする
源氏諸将の伝説が、社寺や地名として残っていますが、
1524年に渋谷城は焼き払われてしまいました。
しかし、渋谷氏の後裔は全国各地に連綿と続いており、
明治の元勲東郷平八郎元帥も渋谷氏子孫の一人とか。
「金王八幡宮例大祭」は、毎年9月14日に行われる
渋谷で最大のお祭で、14基の神輿が「渋谷109」前に
集結するのですが、今年は中止となります。
東京都渋谷区渋谷3-5-12
2020.7.12