1938年、米国ロックフェラー財団の支援・寄付のもと、
国民の保健衛生に関する調査研究及び公衆衛生の
復旧活動を目的に国が設立した機関、
「公衆衛生院」のために建設された建物です。
2002年に国立保健医療科学院として統廃合、
埼玉県和光市へ移転するまで使用されいました。
2009年、港区が取得し、耐震補強や
バリアフリー化等の改修工事を行っています。
建物の中に入ると印象的な中央ホールがあります。
建設当初の姿よく保存されている空間です。
床や壁に石材が多数使われており、
高級な仕上げになっています。
最上階の6階は、学生が宿泊するための寮でした。
授業を行う教室や実験室がある4・5階、
3階には旧院長室や旧書庫、2階は旧図書閲覧室、
1階には旧食堂などがあり見学ができます。
建物の中で最も手の込んだしつらえで、
当時高級であったベニヤ材が
ふんだんに使用されている旧院長室。
床は寄木細工という豪華さです。
この建物を設計したのは内田祥三氏で、
隣接の東京大学医科学研究所や東京大学の安田講堂などを
設計した東京大学建築学科教授です。
大倉土木(現・大成建設)による施工でした。
窓から見える建物のスクラッチタイルが
連続アーチ等の特徴的な外観は内田ゴシックと呼ばれたとか。
窓から望む風景の一つ一つが絵になるようです。
コロナ禍で利用できない施設などもありましたが、
またゆっくりと建物を楽しみに再訪したいと思います。
東京都港区白金台4-6-2
ゆかしの杜
2021.2.12