古新聞

 何年か前の新聞記事 070110

マクガバン・レポートの衝撃

2007-10-21 19:43:35 | 政治
‘07/10/21 ドクターヒロの出版物から

マクガバン・レポートの衝撃

1977年に「合衆国の食事の目標」と題した栄養の指針が発表された。
この食事目標は、脂肪を減らすように、特に動脈を詰まらせる飽和脂肪酸(動物性脂肪)を減らすように、コレステロールを減らすように、精製・加工した砂糖を減らすように、塩分とアルコールを減らし、カロリーを減らすように、脂肪の代わりに炭水化物を増やすように、と米国人に呼びかけた。

このレポート以前は、「肉を食べなさい、ミルクを飲みなさい」という農務省のメッセージが信じられていた。
「肉を減らさなければ健康になれない」というメッセージに対する畜産・産業界からの反発・圧力は大変なものだった。

医師の大多数も、経済的に豊かな米国には、栄養上の問題は存在しないとして圧力をかけた。

しかし、次々と議会の場で病気と食事の関係が明らかにされていき、以後の米国人の食事を変えさせる力となった。
特に、癌と心筋梗塞が食事と密接に関係していることは、多くの米国民にショックを与えた。


マクガバン・レポートの負の影響

マクガバン・レポートは、日本では、医師たちからほとんど無視されていた。
しかし、別の面での影響を与えた。
米国の畜産業者は、米国内で減少した消費の穴埋めを輸出に求めた。
日本はまさにそれを吸収するだけの経済力を持っていた。
畜産品だけではなく、日本は米国から年間1200万トンのトウモロコシを輸入している。
その量は日本人が消費する米の1.5倍にあたり、ほとんどが家畜の飼料に充てられる。

戦後すぐから、学校給食で肉を食べること、牛乳を飲むことを食習慣として身につけさせ、食品業界、流通業界を巻き込んで肉・乳製品の消費拡大を図った壮大な米国の政治的意図、それに乗った日本政府の政治的意図が見えてくる。

ある有名な断食療法家は、日本人の食生活の変化を嘆いて「日本人は、アメリカに餌付けされた」と言い放った。
食生活の変化を、経済的な豊かさの恩恵であり、国民の嗜好とライフスタイルが変化した結果と思っている人が多いかもしれないが、実はそれだけではなく、その裏には政治的な意図があり、知らないうちに操られていたとしたらどうだろう?

巨大なアメリカのアグリビジネス(農畜産業界)があり、食品業界があり、流通業界があり、さらに製薬業界がある。
日本人が肉・乳製品を消費してくれれば、米国では、だれも損をしないみごとなシステムである。
損をするのは病気に成る日本人だけである。
それさえ、米国の製薬業界を潤おすことになる。