'07/04/20の朝刊記事から
最高裁 「賠償請求権放棄」を支持
27日判決 中国人元慰安婦 敗訴へ
中国・山西省に住む旧日本軍の元慰安婦とその遺族が国に計4600万円の損害賠償などを求めた訴訟の上告審で、最高裁第一小法廷(才口千晴裁判長)は19日、判決を27日午後に言い渡すことを決めた。
二審東京高裁判決は一連の戦後補償訴訟で唯一「中国は個人の賠償請求権を放棄した」として請求を退け、最高裁が二審変更時に開く弁論がなかったことから、この判断が支持され、原告敗訴が確定すると見られる。
また同日午前には、中国人元労働者の個人賠償請求権の有無が争点となった西松建設強制連行・労働訴訟の最高裁判決が予定され、統一判断が示される見通しだ。
同高裁判決は「原告の元慰安婦2人(うち1人死亡)は13歳と15歳だった1942年、旧日本軍兵士に拉致され、軍の施設などに監禁された上、1カ月から数カ月間にわたって連日乱暴された」と被害を認定。
「連合国と日本が相互に賠償請求権を放棄したサンフランシスコ平和条約を取り込んだ日華平和条約で、中国国民の個人請求権は消滅した」と判断した。
原告側は上告し「中華人民共和国成立後、中華民国が締結した日華平和条約の効力は及ばない」と主張している。
戦後補償訴訟
日本の戦争犯罪や植民地支配に対し、被害者が日本政府や企業に損害賠償や謝罪などを求めて起こした一連の訴訟の総称。
1990年代以降、南京大虐殺や強制連行、慰安婦、細菌戦、無差別爆撃などによる被害を訴え、中国人や韓国人を中心に約70件の提訴が相次いだ。
ほとんどの訴訟で被害は認定されたものの、原告勝訴は一審が「関釜裁判」の山口地裁下関支部判決など6件、二審は西松建設強制連行・労働訴訟の広島高裁判決など2件とされる。
多くは除斥期間(権利の法定存続期間、20年)の経過などを理由に請求を退けられてきた。
ここでいう「西松建設」は平成21年小沢一郎事務所へ政治献金したとして報道されている「西松建設」と同じ会社なのであろうか。