’08/01/29の朝刊記事から
元時津風親方逮捕へ
力士急死、傷害致死容疑で 愛知県警
大相撲の時津風部屋の序ノ口力士、時太山(ときたいざん)=当時(17)、本名斎藤俊(たかし)さん=が昨年6月に愛知県犬山市で稽古後に急死した問題で、県警捜査1課と犬山署は28日、制裁目的の暴行などで斎藤さんを死亡させたとして、傷害致死の疑いで山本順一・元時津風親方(57)=元小結双津竜、室蘭市出身、昨年10月に解雇処分=と,部屋の兄弟子少なくとも3人を2月に逮捕する方針を固めた。
名古屋大に依頼した死因の再鑑定は大筋でまとまり「一連の暴行が死因になった」と結論付けているといい、県警は近く名古屋地検と最終協議に入る。相撲界を揺るがした力士急死問題は刑事事件に発展する見通しとなった。
調べでは、元親方は昨年6月25日夜、犬山市の時津風部屋で斎藤さんの額などをビール瓶で殴打。兄弟子に「おまえらもやってやれ」と命じ、兄弟子3人が約30分間、金属バットなどで暴行した。
元親方と、前日の暴行に加わった2人を含む兄弟子5人は翌26日、稽古場で通常5分程度のぶつかり稽古を30分以上続け、斎藤さんを死亡させた疑いが持たれている。
再鑑定では、強い打撃を受け半日以上経過すると血中に蓄積、一定以上で心停止などを引き起こすカリウムに着目した。
力士急死問題と相撲協会
時津風部屋の序ノ口力士時太山=当時(17)、本名斎藤俊さん=が名古屋場所前の昨年6月25日、愛知県犬山市で部屋からの逃走を理由に元時津風親方や兄弟子から暴行を受け、翌26日、稽古場で兄弟子によるぶつかり稽古直後に意識を失い死亡した。新潟大の鑑定で、外部からの暴行による多発外傷性ショックによる死亡と判明。愛知県警は11月、遺体の組織片を名古屋大に再鑑定依頼し捜査。日本相撲協会は10月、元親方を解雇処分にした。協会は再発防止検討委員会を設け、稽古の行き過ぎをチェックしている。