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080221 西山元記者 賠償請求 二審も敗訴

2012-12-17 20:23:55 | 政治

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’08/02/21の朝刊記事から

西山元記者 賠償請求 二審も敗訴
「沖縄密約」存否判断せず


1972年の沖縄返還交渉時の日米密約をめぐる外務省機密漏洩事件で、国家公務員法違反で有罪が確定した元毎日新聞記者西山太吉さん(76)=北九州市=が不当な起訴で名誉を傷つけられたとして、国に損害賠償などを求めた訴訟の控訴審判決が20日、東京高裁であった。大坪丘(たかき)裁判長は、不法行為から20年で請求権が消滅するとした除斥期間を適用し、請求を棄却した一審東京地裁判決を支持、西山さんの控訴を棄却した。西山さんは上告する方針。

沖縄返還に際し、米国が負担すべき軍用地の原状回復補償費400万ドルを、日本政府が肩代わりするとした密約の存在については、一審判決同様、判断しなかった。

西山さんの提訴が、72年4月に国家公務員法違反の罪で起訴されてから約33年後の2005年2月だったため、除斥期間の適用が争点となった。

原告側が「02年ごろまでは、密約が書かれた公電の違法性を裏付ける決定的な証拠がなかった」と主張したのに対し、大坪裁判長は「提訴はその後2年以上経過しており、速やかに権利行使したとは言えない」と指摘。その上で「権利行使は困難だったにすぎず、20年の除斥期間満了まで訴えの提起が不可能な状況にあったとは認めがたい」と述べた。

検察官が再審請求をしない違法性について、大坪裁判長は「(西山さんにも)独自に再審請求権が認められており、法的利益が侵害されているとは言えない」と退けた。

判決後、東京・霞ヶ関の司法クラブで会見した西山さんは「沖縄返還協定に嘘を書いた国の違法行為に、除斥期間は適用されるべきではない」と、判決への不満を述べた。「裁判所は、国が組織を挙げてガードしている違法な秘密に入ってはいけないと思っている。司法が行政の中に取り込まれている」と批判した。



外務省機密漏洩事件
沖縄返還協定が調印された1971年に毎日新聞記者だった西山太吉さんが、米側から支払われるはずの軍用地復元補償費400万ドルを日本側が肩代わりする密約に絡む外務省の極秘公電のコピーを入手。これを基に社会党が72年、国会で政府を追及した。西山さんは同年4月、コピーを渡した外務省女性職員とともに国家公務員法違反容疑で逮捕された。一審無罪の後、二審で逆転有罪となり最高裁で確定。2000-02年、密約を裏付ける米公文書が発見され、06年には、日米交渉を担当した吉野文六・外務省元アメリカ局長も密約の存在を認めたが、政府は一貫し否定している。