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’08/03/30の朝刊記事から
国の奇策 自治体そっぽ
年金未納者に短期の国保保険証
改正法が1日施行 強制力なく反応ゼロ
国の国民年金未納者に対しては市町村が運営する国民健康保険(国保)の正規の保険証を出さなくても良い、とする国民健康保険法などの改正法が4月1日に施行される。
年金保険料の未納対策に苦慮する国が、市町村に督促への協力を要請した。
だが国の実施作業の遅れに加え、「消えた年金」問題で住民の反発を恐れる市町村がそっぽを向き、実施のめどは立っていない。
保険証の制限は、昨年、自民、公明両党の賛成、民主、共産、社民各党の反対で成立した国保法などの改正による制度。
資産があるのに国民年金保険料を13カ月以上納めないなどした場合に、本来は無関係の国保で有効期間が3-6月と短い短期証を発行できる、とした。
医療機関での窓口負担は正規保険証と同じ3割だが、短期だと更新のため市町村窓口に行く回数が増える。
その都度、市町村に年金保険料を督促してもらう、いわば保険証をかたに取る作戦だ。
ところが、厚生労働省によると「全国で導入を決めた市町村は調べていない。分からない 」。
実務を担当する社会保険庁は「具体化の作業が遅れ、市町村の導入は決まっていない」。
導入には、市町村が国から国民年金未納者の情報などを提供してもらう必要があるが、まだ要求はゼロという。
この制度には強制力も罰則もなく、導入するかどうかは市町村の自由。