’08/01/01の朝刊記事から
防衛省 裏金数千万円を確認
自衛隊でも恒常化
防衛省が情報収集を主目的とする報償金の多くを架空領収書を使って裏金化していたとOBらが証言した問題で、同省は31日までの内部調査で少なくとも数千万円のプール金の存在を確認した。
複数の防衛省・自衛隊関係者が明らかにした。
関係者によると,裏金づくりは防衛省内局に加え、旧防衛施設庁や陸海空各幕僚監部、地方の部隊レベルでも恒常化していたことが判明。
防衛省は内部調査の状況が新テロ対策特別措置法案の国会審議に与える影響を警戒。
与党が法案を1月中旬にも衆院で再議決し成立した後に公表する方向で調整に入る見通しだ。
報償費は2007年度予算で年間約1億6400万円。
裏金化は国家公務員、種試験で採用された「ノンキャリア組」の役割で、防衛省OBによると、使い切れなかった裏金が担当職員個人の口座にプールされている例もあるという。
OBらは関係部局の裁量で使えるような裏金づくりの不正経理を組織ぐるみで続けていたと話している。
こうした行為は幅広い部署で続けられていたため、プール金の総額は把握し切れていない。
プール金は、原則として単年度での予算執行を定めた財政法など関係法令に抵触する可能性が高い。
ただ、裏金の使途は機密を理由に公表せず、不正な目的への支出はなかったと結論付ける公算が大きく、防衛省の不透明な体質があらためて問われそうだ。
関係者によると、裏金づくりの方法は防衛省OBらを情報提供の協力者に装い、この偽の情報協力者を接待したり現金を渡していた形で架空領収書を大量に作成し、報償費から裏金を捻出してきた。
この操作で報償費は表向き、使い切ったことになっていた。