'08/11/21の朝刊記事から
海自、迎撃試験に失敗
SM3 弾頭に不具合の可能性
防衛省は20日、日本を狙う弾道ミサイルに対処するミサイル防衛(MD計画で、海上自衛隊のイージス艦「ちょうかい」が発射した海上配備型迎撃ミサイル(SM3)で標的の模擬ミサイルを撃ち落とす試験を米ハワイ沖で行ったが、迎撃に失敗したと発表した。
防衛省は、SM3の中心となる弾道部分に不具合が生じた可能性高いとみて、米軍と原因を調査している。
日米両政府が既に配備を進め、総額一兆円程度の巨額の経費がかかるとされるMD計画の実用性を疑問視する声も上がりそうだ。
SM3の試射はイージス艦「こんごう」が迎撃に初成功した昨年12月に続き2回目。
模擬ミサイルの発射時間をイージス艦側に事前に知らせないなど、今回はより実戦に近い形で実施したという。
防衛省によると19日午後4時21分(日本時間20日午前11時21分)に米軍施設から標的の模擬ミサイルを発射。
3分後にちょうかいが捕捉しSM3を発射したが、迎撃の数秒前に標的を見失ったという。
SM3は標的のミサイルに接近した段階で、弾頭に搭載した赤外線センサーが標的の熱源をとらえ撃ち落とす仕組み。
防衛省によると直前までは正常に作動しており、「弾頭部分に何らかの不具合が生じた可能性がある」としている。