’08/03/11の朝刊記事から
ヘパリン製剤回収
米で副作用 中国産成分 国内3社「予防的」
厚生労働省は10日、人工透析や手術などで広く使われる血液抗凝固剤「ヘパリンナトリウム」を製造、販売しているテルモ(東京都)、大塚製薬工場(徳島県鳴門市)、扶桑薬品工業(大阪市)の三社が同剤の自主回収を始めたと発表した。
国内では副作用報告の増加はないが、三社に原料を供給している米企業が、ヘパリン製剤で重い副作用が相次いだ米バクスター社にも原料を供給していたことが判明したため、「予防的な措置」として回収を決めた。原料には中国産の成分が使われていた。
ヘパリン
血液を固まりにくくする抗凝固剤。注射液などとして製薬各社から販売されている。手術中や手術後に血の塊(血栓)ができて血管が詰まる血栓塞栓症の予防や治療、血管にカテーテルを挿入する際の血液凝固防止などに広く使われている。ショックなどの副作用が起きることがある。使用上の注意として、血液の固まりやすさを検査するなど出血管理を十分にすることなどが求められている。