’08/04/25の朝刊記事から
中国のジンバブエ武器輸出
欧米反発 火種に
【北京24日佐々木学】中国が、大統領選の混乱が続くアフリカ南部ジンバブエへ武器を輸出しようとしたことが明らかになり、欧米との新たな対立の火種になりつつある。
ロイター通信によると、ジンバブエ向けの銃やロケット弾、迫撃砲などを積んだ中国の貨物船は18日、南アフリカのダーバン港で荷揚げを拒否された。
ジンバブエは内陸国のため、周辺国の港で荷揚げしなければならないが、モザンビークやアンゴラも入港を拒否した。
これを受け、米国は、周辺国に荷揚げ拒否を働きかけたことを認めた。
さらに、欧州連合(EU)の欧州議会は23日、EUが1989年の天安門事件を契機に発動した対中武器禁輸措置の継続を求める意見書を採択した。
中国外務省の姜瑜副報道局長は24日の会見で、ジンバブエ側への武器引き渡しが不可能で、貨物船が中国へ引き返していることを明らかにした。
その上で、輸出契約は昨年締結しており、今年3月の同国大統領選による混乱とは無関係なことを強調した。
ジンバブエ大統領選は、独裁体制を敷くムガベ大統領が劣勢と伝えられ、投票結果が公表されない異常事態が続く。
政情不安定な国への武器輸出は、反体制派の弾圧や内戦を誘発する虞があり、欧米は中国の姿勢に厳しい目を向けている。
これに対し、姜副報道局長は「中国とアフリカ諸国の友好関係に対する挑発であり、まったく道理がない」と批判した。