'07/06/23の朝刊記事から
東京大気汚染訴訟 和解金12億円提示
高裁案 メーカー7社に
東京都内の喘息患者らが国や都、自動車メーカー7社などに車の排気ガス被害による損害賠償を求めた東京大気汚染訴訟の和解協議で、東京高裁(原田敏章裁判長)は
22日、メーカー側が解決金12億円を原告側に支払うことなどを提案し、和解を勧告した。
メーカーを除く国や都などは和解でほぼ合意。
解決金の額が焦点となり、約5億円とするメーカー側に対し、原告側は数十億円を求めていたが、和解案は「原告と7社の隔たりが大きく、双方に苦渋の選択を迫るが、和解で解決する意義を評価し、受け入れるよう要望する」としている。
7月12日までの回答を求めており、第一次提訴から約11年を経て、最終局面を迎えた。
西順司原告団長(74)は「検討するが、どうなるかは分からない」と説明。
7社のうちトヨタ自動車は「慎重に検討し、できる限り早期に回答する」とコメントした。
和解案によると、原告は患者単位で522人。
提示金額を1人当たりに換算すると約230万円となる。
和解案はまず「排ガスによる大気汚染では、車の使用で有形無形の利益を受ける国民一般が社会的責任を受け止めるべきだ」と、問題提起した訴訟の意義を重視。
その上で、国や都などによる医療費助成制度や公害対策の提案を「和解の柱になる」と高く評価した。
因果関係の特定が比較的容易で、工場排煙の原因企業と高額の解決金支払いで和解してきた過去の大気汚染訴訟とは「同列にできない」として、1人当たりでは低い金額を示した。
和解協議で、原告側は①医療費助成制度創設②公害防止対策③解決金-などを要望。
都は昨年11月、医療費助成制度を正式表明、国は5月、都の喘息予防事業への60億円の拠出を公表。
首都高も6月、約5億円の拠出を決め、メーカーも33億円の拠出に応じる方針を表明した。
公害対策は国や都が既に提示、原告側は受け入れ方針を示している。
東京大気汚染訴訟
東京に居住、勤務して喘息や慢性気管支炎などになった患者と遺族が自動車排ガスの被害を訴え、1996年に第1次提訴した裁判。
第6次まで起こされ、提訴時点での原告総数は約630人。
国や都、首都高速道路とディーゼル車メーカー7社に汚染物質の排出差し止めと計約
148億円の損害賠償を求めた。
2002年の1次訴訟判決は一部原告の健康被害を認めて国や首都高、都に計約
7900万円の賠償を命じたがメーカーへの請求は棄却し、原告と国と首都高が控訴。
東京高裁は昨年9月の控訴審結審時に和解を勧告した。
(東京にジーゼル車を入れない、というのはこれから来たのか。
その結果日本でのジーゼル車の発売が少なくなったのか。)