’07/10/21の朝刊記事から
埼玉の建築士 横浜などで耐震偽装
関与の67件調査へ
国土交通省などは20日までに、埼玉県八潮市の設計事務所「藤建事務所」の遠藤孝・一級建築士(60)が複数の自治体の公共施設やマンションで、構造計算書を偽造していた可能性があることを明らかにした。
同省によると、遠藤建築士が関与した物件は67件あることが分かり、関係自治体に再計算などを指示している。
計算書の偽造が発覚したのは今月15日で、物件は横浜市内で積水ハウスが建築主の「グランドメゾン横浜紅葉坂(仮称)」。
地上9階、地下1階、99戸の計画で、8月末までに基礎工事が完了していた。
’07/10/21の朝刊記事から
比内地鶏を装い別の鶏肉出荷
秋田の食肉加工会社
秋田県は20日、同県大館市の食肉加工製造会社「比内鶏」(藤原誠一社長)が、地元の「比内地鶏」と偽り、別の鶏肉や卵を薫製にした商品を出荷していたと発表した。
同社は既に製造を中止し、商品回収を始めた。
県が同日行った聞き取り調査に対し、藤原社長は「約10年前には既に別の肉を使っていた」と偽装を認めた。
商品の不当表示は景品表示法や日本農林規格(JAS)法違反の疑いがあるため、県は今後、同社の鶏肉の仕入れ先など全容解明を進める方針。
‘07/10/21の朝刊記事から
いずし食中毒の原因
ボツリヌス菌 毒素によろい
東農大網走グループ解明
【網走】致死性の高い食中毒を引き起こすボツリヌス菌を研究している東京農業大生物産業学部(網走市)のグループは、菌の毒素の立体構造を世界で初めて解明した。
毒素本体を三本足の「よろい」のような構造が守る形で、毒が胃酸で分解されずに腸にまで到達するメカニズムと密接に関係しているとみられる。
食中毒の予防薬開発などに役立つとみられ、専門家も重要な成果として高く評価している。
研究成果は米国生化学会機関誌最新号の巻頭論文として紹介された。
3本足で胃酸防ぐ 予防薬開発に道
日本で最も発生例が多いボツリヌス菌の型は、北海道や東北地方の海岸の砂中に広く分布しており、しばしば「いずし」の材料を汚染して食中毒を引き起こす。
このため、国内でのボツリヌス菌の研究は北海道が先進地となっている。
研究グループは、大山徹教授(生物化学)と、今春、東農大大学院を卒業し、東京の科学機器製造会社に勤める長谷川仁子さんら。
大山教授らはボツリヌス菌を培養し、遠心分離器で毒素を抽出。
倍率5万倍の電子顕微鏡とコンピューターで形状を分析する作業を3年間にわたり続けた。
その結果、毒素は14個のタンパク質からできているが、大きく分けると①毒素本体②3本足の構造体ーからなることがわかった。
また、本体だけだと胃酸で分解されるのに、3本足の構造体を付けていると分解されないことも確認できた。
大山教授らは、3本足の構造体が毒素を守る「よろい」のような役割を果たしているのではないかと推論。
‘07/10/21の朝刊記事から
イラン誘惑 中村さん国外へ
パキスタン連行か
【テヘラン20日共同】イランのエルハム政府報道官は20日の記者会見で、イラン南東部で横浜国立大4年、中村聡志さん(23)を誘拐したとされる武装集団が、中村さんを連れて「イラン国外に出た」と語った。
報道官は「この集団の隠れ家は通常、パキスタン国内にある」と述べ、隣国パキスタンにいるとの見方を示した。
在イラン日本大使館は、情報の詳細をイラン政府に問い合わせている。
国境を越えることで、武装集団の足取りを把握しているイラン治安当局の追跡をかわすのが狙いとみられる。