吉田豪著 徳間書店 定価:1600円(本体)
話題の書籍ですので読んでみました。作者の吉田豪氏は格闘技のリングス中継のゲストで出てた頃から知ってはいたのですが、注目したのはTBSラジオ「ストリーム」以来。書籍は「BAND LIFE」「新人間コク宝」に続いて3冊目。
オビの言葉によると「文系男子(サブカルもの)は40歳で鬱病になるって本当?」「平成日本文化を担った11人に、テレビ・ラジオ・雑誌・ネットなどさまざまな媒体で日々大活躍の現・日本SBC(サブカルチャンピオン)王者吉田豪が迫る」というもの。
その11人とはリリー・フランキー、大槻ケンヂ、川勝正幸、杉作J太郎、菊地成孔、みうらじゅん、ECD、松尾スズキ、枡野浩一、唐沢俊一、香山リカという面々。これらの男性陣の鬱に悩んだときのことをあれこれ聞き出し、最後に香山リカさんにそれについて総括して貰うという構成です。
ネットでの評判は「身につまされる」「読んでる方がやばくなるのでその傾向のある人は注意」などの声が多かったので心してかかったのですが、私はその気がまったくないせいか、「ほぉそんなもんか」というくらいでさらっと読めました。まぁそういうのは、あまり深刻な事態を具体的に語ってない人が多いせいでしょうが、やはり実際に電車の中でパニック発作が出た人の話などはドキっとします。
吉田豪氏は取材対象をいろいろ見てて「サブカルは40歳で鬱になる」という持論があるそうですが、特にサブカル系の人に限らずその年代はやばいのでは? 厄年でもあり、ぼちぼち老後のことも考える頃でしょうし、バリバリ仕事する人はちょっと体力的に落ちてきたことに悩んだり、仕事がイマイチの人は「このまま一生給料上がらなかったら?」とか悩むでしょうし、そうでない人も将来どこに住む、親の面倒はどうする?、とか考えたり。
ということで、面白いって言えば面白いですが、私としては「BAND LIFE」が圧倒的に面白かったので同じくらいの価格っていうとこれには物足らなさを感じました。ボリューム的にもうちょっと欲しかったかな? とはいえ、11人の誰か一人にでも反応する方であればオススメではあります。結構売れてるようですね。